リスティング広告を初めて発注する際に知っておくべき全知識
最終更新日:2023年2月3日 | 投稿日:2022年12月18日
「リスティング広告を発注したい」と思っても、
- どのような費用、流れで発注すれば良いのだろう?
- 発注先はどのように選べば良いのかな?
などなど、不安もあるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、約6年間のリスティング広告運用経験をもとに、リスティング広告の発注に関する費用や流れ、注意点などをまとめました。
発注時によくある疑問を網羅できるよう解説していくので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
目次
リスティング広告を発注する際に必要な費用
【リスティング広告の発注に必要な費用】
- 広告費(10〜100万円/月が目安)
- 初期設定費用(3~10万円が目安)
- 毎月の運用手数料(広告費に対して一定の割合を支払う)
※上記の金額はあくまで目安です。実際は業界や商品・状況によって大きく異なります。
リスティング広告の発注時に必要な費用は上記の3つが一般的です。
運用手数料については「広告費の〇%」のように。広告費に対する割合で支払うことがほとんどです。
しかし「25万円/月以下の場合は手数料5万円固定」など、最低手数料が設けられている場合もあります。
リスティング広告の発注から運用開始までの7ステップ
【リスティング広告の発注から運用開始までの7ステップ】
- お問い合わせ
- ヒアリング+実データ分析+WALTEX流のデジタルマーケティング戦略構築
- ご契約+キックオフミーティング実施
- アカウントの開設・引継ぎ
- 計測タグ(コンバージョンタグやGoogle Analyticsの目標)の設定
- キャンペーンの設定・広告文の入稿
- 運用開始
ここでは、リスティング広告の発注から運用開始までの流れを、弊社のフローを例にお伝えしていきます。
※実際は代理店ごとに細かい点が異なるため、コーポレートサイトやお問い合わせなどでご確認ください。
ステップ1. お問い合わせ
まずは発注を検討している代理店にお問い合わせをします。
以下を最初にお伝えすると、最適な人材を初回からアサインいただけてスムーズなのでおすすめです。
【お問い合わせ時にお伝えするとスムーズな項目】
- 広告の目的
- 商材
- WebサイトのURL
- 想定予算
ステップ2. ヒアリング+実データ分析+WALTEX流のデジタルマーケティング戦略構築
お問い合わせの後は、ヒアリングのためのミーティングを実施します。(ほとんどの場合、代理店側からミーティングの提案があるはずです。)
その後、代理店サイドで現状のデータ分析とマーケティング戦略構築を行い、発注者に提案します。
提案内容には代理店のレベルと熱意が顕著に表れるため、この段階で発注するか否かを検討するのがおすすめです。
(弊社でも、このデジタルマーケティング戦略構築に重きを置いています。)
ステップ3. ご契約+キックオフミーティング実施
発注が確定したら、契約書の締結と並行してキックオフミーティングを実施します。
ステップ4. アカウントの開設・引継ぎ
契約後は、広告アカウントの開設に進みます。アカウントは代理店側で新しく作成するのが一般的です。
※弊社も基本的に都度アカウントを作成していますが、既存アカウントの引き継ぎも対応しています。
ステップ5. 計測タグ(コンバージョンタグやGoogle Analyticsの目標)の設定
アカウントの開設後は、必要に応じてコンバージョンタグやGoogle Analyticsの目標の設定を行います。
広告の成果(商品の購入、問い合わせ完了など)を計測するためにWebページに設置するタグ。
Google Analytics(Googleの分析ツール)において、読者の動きを分析するための設定のこと。目標を設定しておくことで、広告の管理画面よりも詳細にユーザーの動きを分析できる(どのページを見て問い合わせをしたか、ページ滞在時間は何分何秒だったかなど)。
ステップ6. キャンペーンの設定・広告文の入稿
次に、キャンペーンの設定や広告文の入稿を行います。
最近のリスティング広告は、AIが成果を最大化するよう働いてくれるのが強みです。
このAIを最大限に活用できるよう、広告の目的と予算に合わせてキャンペーンを設計します。
これで、初期設定はすべて完了です。
ステップ7. 運用開始
初期設定が完了したら、いよいよ運用を開始します。
運用開始後は定期的なミーティングで施策の共有・振り返りを行い、PDCAを回して改善していきます。
日々の運用の主なポイントはKWやクエリの追加除外、広告文PDCA、LPO(ランディングページの改善)です。
特に現在の運用型広告で最も重要な「広告文PDCA」は下記イメージで行い改善を目指します。
【例】
- 目的を元に「A訴求」VS「B訴求」の広告文を作成し2週間配信。結果、B訴求が良かった
- B訴求が当たったのは〇〇の想定。当たった仮説を元に次は「B訴求」VS「B訴求を改変した版」で新しい検証
- B訴求の改変版が勝利→以降②③を繰り替えす
⇒1~3を繰り返す事で成果が良い広告文の配信比率が高まる=CPAが改善して行く確率が高まる事になります。
リスティング広告の発注先の選び方4つのポイント
【リスティング広告の発注先の選び方】
- 前提:会社ではなく「実務担当者」のクオリティで決める
- レスポンスが早いか
- 提案内容は具体的で納得できるか
- 自社の目的・戦略に沿った戦略提案が来ているか
リスティング広告の発注先を選ぶポイントは、上記の4つです。
上記のポイントを満たす代理店を選ぶことで、信頼できるパートナーが見つかる確率がグッと向上します。
一つずつ詳しく解説していきますね。
前提:会社ではなく「実務担当者」のクオリティで決める
前提として、発注先を選ぶ際は「会社」ではなく「実務担当者」のクオリティで決めることを強くおすすめします。
理由は単純で「会社よりも担当者のスキルが成功確率に直結するため」です。
「この担当者と一緒に会社を成長させたい」と思ったら、その会社を選ぶのが良いと思います。
レスポンスが早いか
発注先を選ぶポイントとして「レスポンスが早いか」は重要です。
というのも、リスティング広告を配信する中で、
- 運用担当者に質問・確認したい
- 方針変更で日予算を増額・減額する必要がある
- Webサイトのサーバー落ちなどで広告を一時停止する必要がある
などのケースは珍しくありません。
こういった場面でレスが遅いと、予算の機会損失やユーザーからのクレームに繋がります。
求めるレスの早さは人によって違うと思いますが、遅くとも営業日ベースで「24時間以内に返信」が一つの目安です。
個人的には、朝・昼・夕方の3回のタイミングで返信が来るとなおGOODだと考えています。
提案内容は具体的で納得できるか
「提案内容は具体的で納得できるか」も発注先選びでは重要です。
Web広告では横文字や英語が多く、これらを並べると「まともっぽく聞こえる」かもしれません。
例えば「CPA改善のために、効果の悪いクリエイティブを停止します。」などです。聞こえは良くても本質分析が出来ておらず、根本的な解決施策とは言えません。
※この場合でしたら、
- 前提:停止する=クリエイティブ数が減るので、検証機会の損失が発生する可能性もある。
また、何故追加したのに成果が悪かったのか学びを作りネクストアクションに活かす必要がある。 - 停止する場合:〇〇訴求の検証目的で配信したが、CPAが目標対比で高いため、停止をご提案。
CPAが目標対比で高いのは、他クリエイティブ比較やユーザー心理として〇〇という理由が考えられる。
そのため、ネクストアクションとしてこのクリエイティブで得た〇〇を元に××訴求のクリエイティブを追加入稿し検証を行います。
(以降ここで得られた〇〇の要素は新規クリエイティブ作成時に排除し、同じ理由でのマイナス要因発生を防ぐ。)
良い担当者は一方的な専門用語ばかりの表現は使わず「相手の知見に合わせた表現」で「広告の目的に沿った具体的な提案」をします。
具体的には、以下のようなイメージです。
- CV数は〇〇件⇒申込数、お問い合わせ数は〇〇件
- CPAは〇〇円⇒申込単価、お問い合わせ単価は〇〇円
初めて発注する場合、見極めが難しいと感じるかもしれません。なのでシンプルに「提案内容は具体的で納得できるか」で判断するのが良いと思います。
マーケティング業界は流行り廃りも早く、知識レベルの差がある事は「普通のこと」です。
そのため良い担当者ほど相手のレベルをもとに「広告主の担当者+決済者目線でわかりやすい円滑なコミュニケーション」を行ってきます。
自社の目的・戦略に沿った戦略提案が来ているか
「自社の目的・戦略に沿った戦略提案が来ているか」も発注先選びで重要なポイントです。
Web広告は、自社の目的を達成するための手段の一つでしかありません。
目的達成のためなら、時には「Web広告の予算を削って他のWeb施策(SEO、CRM、サイト制作など)に投下した方が良い」というケースもあります。
そういった「本当に自社の目的や戦略を考えた提案が来るか」も一つの視点として、念頭に置いてみてください。
個人的によく見かけるのは、
- 代理店の利益最大化(≒運用手数料の最大化)のために、予算の増額を必要以上に提案or予算を使い切るために運用を行う
- 目先の費用対効果(CPA)改善のために、投資すべきキャンペーンを停止
といったケースです。
「これは自社の目的・戦略に一致していないのではないか?」
「これをやって費用対効果は望めるのだろうか?」
と疑問に感じたら、納得できるまで質問してみることをおすすめします。
リスティング広告を発注する際の3つの注意点
【リスティング広告を発注する際の3つの注意点】
- FEEが安い=提供サービスレベルの絞り込みに直結する
- 最低発注金額が決まっている場合もある
- 最初から媒体や施策を広げすぎない
ここでは、リスティング広告を発注する際の上記3つの注意点についてまとめました。
発注時に知っておくべき必須知識として、ご一読いただけたらと思います。
1. FEEが安い=提供サービスレベルの絞り込みに直結する
コンサルティングというサービスの都合上、「提供レベルの高さ(事業成長を一緒に実現できるか)」は「報酬の高さ」に直結します。
(コンサルティング会社のマッキンゼーの報酬が高いのは、提供サービスレベルとブランドへの信頼が高いからです)
リスティング広告は「出せば成果が出る魔法の杖」ではありません。
特に「これからリスティング広告を始める」場合、そもそものデジタルマーケティングの戦略設計(※)を正しく構築しないと配信費用が無駄になります。
(※)具体的にはランディングページの中身や問い合わせポイントの最適化、問い合わせが来た後の営業戦略など
どんなビジネスでも初期コストがかかるのは定説です。
- 最初から良いパートナーとデジタル戦略を描いて成功確率を最大限高めるか
- 勉強代を支払って将来スイッチングコストをかけるか
⇒これらは、パートナー選びの初期意思決定に左右されます。
※以下の事例では、弊社とお取引のある広告主様も同様の事を仰っております▼
>>【事例】夫婦2人の創業から、3期目で13名まで拡大。HP問い合わせ数は3年で平均月30件→月180件に成長。創業期を共に歩んだWebマーケティングサポート事例のご紹介。
2. 最低発注金額が決まっている場合もある
代理店には、最低発注金額(=最低広告予算)が決まっている場合があります。
分かりやすく書くと「〇〇万円以上の広告予算のある企業じゃないと発注できない」ということです。
発注先を検討している際は、最低発注金額は決まっている代理店か、一度チェックしてみてください。
3. 最初から媒体や施策を広げすぎない
リスティング広告を発注する際、「最初から媒体や施策を広げすぎない」ということも意識してみてください。
最初から媒体や施策を広げすぎると、以下のようなデメリットがあるためです。
- 広告費が施策ごとに分散してしまい、PDCAが回しにくい
- 蓄積されるデータも分散するので、AIによる広告の最適化も進みにくい
基本的に代理店側が意識することではありますが、発注者側も認識しておくことで、適切な広告の戦略設計に繋がります。
リスティング広告の発注ノウハウまとめ
【本記事の重要トピックまとめ】
- 発注に必要な費用は「広告費」「初期設定費用」「毎月の運用手数料」
- 発注先は「会社」ではなく「実務担当者」のクオリティで決める
- 「報酬の高さ」は「提供サービスのレベルの高さ」に直結する
リスティング広告の発注時に知っておくべき知識を解説しました。
もし発注先選びに迷ったら、今回ご紹介した以下のポイントを満たす担当者(会社ではなく担当者)を探してみてください。
- レスポンスが早いか
- 提案内容は具体的で納得できるか
- 自社の目的・戦略に沿った戦略提案が来ているか
もしそれでも迷うようでしたら、「直感的に信頼できる担当者かどうか」を基準に判断するのも一つの方法です。
※言語化できない正負の感情が「直感的な信頼」に表れるため
もし「これから代理店を探す」「まだ腹落ちする発注先が見つかっていない」という場合は、弊社にご相談ください。
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投稿者
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「志を支援する」パーパスの元、デジタルマーケティング支援会社を経営。(2024年6期目/メンバー数約15名/最高年商2億)パーパスに共感したクライアントの成果創出を「誠実なエース人材のみ」でチームを構成し、エンドユーザー目線を徹底する方針で支援してます。
経歴:オプトで運用型広告コンサルタント→サイバーエージェントグループのウエディングパークにて、運用型広告の営業→WALTEXを創業。Speee様、KUMON様、DIGITALIO様など、大手から中小企業(ベンチャー/スタートアップ)まで支援実績インタビューをHPで公開中。