YDAとは?旧YDNからの変更点8つと個人的に良くなった・悪くなったと思う点
最終更新日:2023年2月3日 | 投稿日:2022年4月4日
長年Yahoo!JAPANのディスプレイ広告として数多くの方が運用してきたYDN。
そのYDNが2021年春にYDA(Yahoo!ディスプレイ広告)に変わり、機能もいくつか変更となりました。
この変更に伴い、具体的にどこが変わったのか運用者は気になっているのではないでしょうか。
本記事では、YDA変更によって変わった8つの点をまとめました。
個人的に変わったことで「使いやすくなった点」と「変えてほしくなかった点」も述べているので、ぜひ参考にしてください。
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目次
YDAとは?YDNと何が違うの?
YDAとは、主にYahoo!を中心としたWebサイトやWebアプリの広告枠に配信できる広告です。
以前Yahoo!が提供していた「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)」と「Yahoo!プレミアム広告」が統合して、YDAと呼ばれるようになりました。
名称変更前 | 名称変更後 |
---|---|
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク ※いわゆるYDN |
Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型/予約型) ※いわゆるYDA |
Yahoo!プレミアム広告 | |
スポンサードサーチ | 検索広告 |
スポンサードサーチは検索広告に変わり、他2つが統合されてYDA(Yahoo!ディスプレイ広告)となったわけです。
YDAとGDNの違い
YDAに変わったことで、GDNとの違いは新たに発生していません。
以前から大きな違いは配信面で、YDAではYahoo!JAPANがメイン、GDNは幅広いメディア数が紐づいています。
YDA | GDN |
---|---|
|
|
ターゲティングやバナーサイズについては、共通している部分が多いです。
ただ1点特徴として、YDAにはサーチターゲティングという機能があります。
この機能は、GDNを含めた他のディスプレイ広告では存在しません。YDA独自のターゲティングです。
※サーチターゲティングについては以下の記事にまとめているため、詳しくは以下をご覧ください。
YDAレスポンシブ広告とYDAインフィード広告の違い
またYDAの代表的な広告タイプと言えば、レスポンシブ広告とインフィード広告が挙げられるでしょう。
それぞれの違いは、下記の通りです。
- レスポンシブ広告:通常のバナー広告枠やインフィード広告枠などに配信
- インフィード広告:インフィード広告枠のみに配信
インフィード広告はフィードに馴染みやすく、レスポンシブ広告は通常バナー枠にも配信できるので配信量が上がりやすいのが特徴です。
YDAでできるターゲティング一覧
下記がYDAで出来るターゲティング一覧です。
ターゲティング名 | 概要 |
---|---|
年齢 | 配信対象者の年齢を指定 |
地域 | 配信対象者の地域を指定 |
性別 | 配信対象者の性別を指定 |
曜日・時間帯 | 配信する曜日・時間帯を指定 |
デバイス | 配信するデバイスを指定 |
オーディエンスカテゴリー (旧インタレストカテゴリー) |
特定のカテゴリーに興味のあるユーザーに配信 |
サーチターゲティング | 特定の検索履歴のあるユーザーに配信 |
サイトリターゲティング | 自社のサイトに訪れたことのあるユーザーに配信または除外 |
類似拡張 | 指定したセグメントの類似ユーザーをリスト化して配信 |
サイトカテゴリーターゲティング | 配信する広告枠のカテゴリーを指定 |
プレイスメントターゲティング | 配信または除外するウェブサイトのURLを指定 |
各ターゲティングの詳細や使い方については、下記の記事で詳しくまとめています。
YDAの広告の配信面とは?
YDNへと変わったことで、YDA内の配信面は特に変わっていません。
今まで通り、大きく分けて3つのカテゴリーに配信されます。
YDAの配信面について
- Yahoo!JAPANのニュースやサービスなど
- So-netやNAVER まとめなどYahoo!以外のPC配信面
- クックパッドやアメーバブログなどYahoo!以外のSP配信面
外部メディアが紐づいていますが、配信量のほとんどがYahoo!JAPANであることも変わりません。
詳しい配信面を知りたい場合は、下記記事をご覧ください。
YDAで変わった主な8つの変更点
YDAで変わった主な8つの変更点
- 管理画面が刷新され、グラフ分析や日付選択などの操作性が変更
- キャンペーン選択が広告掲載方式から目的別に変更
- 目的別のキャンペーン選択により、アルゴリズムが変更
- 新規ターゲティング追加と一部ターゲティングの廃止
- インフィード広告が全てレスポンシブ広告として統合
- クリエイティブ毎ではなく、キャンペーン or 広告グループの一括調整に変更
- キャンペーン、広告グループ、広告をコピー&ペーストで作成可能に
- 画像・動画の一括登録が可能に
YDAを構成する中でも重要な配信面やターゲティングの大枠をご紹介してきました。
ここからは、「YDAで変わったこと」を具体的に紹介していきたいと思います。
1.管理画面が刷新され、グラフ分析や日付選択などの操作性が変更
まず大きく変わったことが管理画面の変更です。
今までは、キャンペーン→広告グループ→広告と見ていたものが、左側にキャンペーンと広告グループが表示されて、階層が整理されやすくなりました。
GDNの管理画面に近しい表示形式に変わったと言えるでしょう。
さらには、グラフの表示や期間別の数値比較などが可能となり、視覚的に分析できる幅が広がりました。
2.キャンペーン選択が広告掲載方式から目的別に変更
次にキャンペーン選択が広告掲載方式から目的別に変わったことです。
これは今回の中で大きな変更点だと捉えています。
今までは、インフィード広告やターゲティングといった広告掲載方式の選択でキャンペーンが作成されていました。
この変更では、キャンペーン選択がガラッと変わり、目的別の選択へと変更されたのです。
それに伴い、今までクリック課金がメインでしたが、YDAではそれぞれの目的に合った課金ポイントへと変わっています。
3.目的別のキャンペーン選択により、アルゴリズムが変更
キャンペーンが広告掲載方式別から目的別になったことにより、アルゴリズムも変わりました。
YDNでは「クリック率の高い広告=効果が高い」と判断されていましたが、YDAでは目的別に沿って効果を出している広告が良しとされます。
例えばコンバージョンが目的なら、コンバージョンを積み重ねている広告が優先的に露出されやすいということです。
そのため、以前よりも広告目的に応じた効果を発揮しやすいアルゴリズムに変わったと言えるでしょう。
4.新規ターゲティング追加と一部ターゲティングの廃止
YDAではインタレストカテゴリーが廃止されました。
代わりにオーディエンスカテゴリーという近しい機能を使えるようになったのです。
ただ、実際インタレストカテゴリーと機能面ではあまり変化ありません。
オーディエンスカテゴリーでは、興味関心以外に以下の3つが選択可能です。
- 興味関心:特定のカテゴリーに定期的に興味を示しているユーザーへの配信
- 購買意向:特定のカテゴリーにおける商品の購入・申し込みを検討しているユーザーへの配信
- 属性、ライフイベント:家族構成・学歴・職業など年齢性別以外の属性や、転職や結婚などイベントに興味を示しているユーザーへの配信
5.インフィード広告が全てレスポンシブ広告として統合
YDAではインフィード広告単体で選択できず、全てレスポンシブ広告に統合されました。
しかし、インフィード広告が無くなったわけではないので、ご安心ください。
あくまで「インフィード広告単体では選択できなくなった」ということです。
実際にインフィード広告へ配信したいときは、広告作成時にレスポンシブ広告を選択し、インフィード広告の配信面を指定する必要があります。
6.クリエイティブ毎ではなく、キャンペーン or 広告グループの一括調整に変更
YDAではクリエイティブ毎の単価調整ができず、キャンペーンか広告グループでの一括調整へと変わりました。
YDNにおいては、「効果の良いクリエイティブは入札を強化し、悪いクリエイティブは抑制する」運用をしていた方もいるのではないでしょうか?
しかしクリエイティブ毎の単価調整が廃止されたため、このような運用ができなくなりました。
目的に沿った効果を出しているクリエイティブが優先されて配信されます。
7.キャンペーン、広告グループ、広告をコピー&ペーストで作成可能に
YDAでは、キャンペーンや広告グループ、広告をコピー&ペーストで作成可能になりました。
今までYDNでは、キャンペーンや広告グループ、広告のチェックボックスを入れて「編集」を押してコピー→作成されていたのではないでしょうか。
その作業がコピー&ペーストのみの操作に刷新されたことが変更点として挙げられます。
これもGDNやFacebookに近しい操作性と言えるでしょう。
8.画像・動画の一括登録が可能に
他には画像・動画の一括登録も可能になったのが、YDAの変更点です。
YDNでは広告作成時のみしか画像・動画を登録できませんでした。
そのため同一の画像・動画を使うにしても、1つずつ広告を作成して紐づけていたかと思います。
しかしYDAでは、画像・動画を広告作成前に一括登録することが可能となりました。
YDAで使いやすくなったと感じる4点
YDAで変わった主な8つの変更点
- 管理画面が視覚的に分かりやすく、分析しやすい
- キャンペーン選択が目的別になり、効果にコミットした配信ができる
- キャンペーン設計がまとめられるため、管理しやすい
- キャンペーンや画像などの構築や入稿が瞬時に出来るため、かなり楽
次にYDAで個人的に使いやすくなったと言えるポイントを紹介したいと思います。
弊社のYDA運用メンバーも使いやすいと言っていた機能を挙げているので、皆さんもどんどん活用してみてください。
1.管理画面が視覚的に分かりやすく、分析しやすい
やはり、管理画面だけで分析しやすいのが最もメリットを感じています。
今までは数値推移を見るにもExcelをダウンロードしていたので、凄く手間でした。
それが、管理画面で見たい数値の選択をしながら、どのような推移をしているのかすぐに見られるのは運用者としてかなり嬉しい変更です。
加えてYDNでは、配信期間ごとの数値を比べる場合「比較したい期間を選択し、メモしては次の期間を選択する」という面倒さもありました。
そのわずらわしさもなくなり、カレンダーで比較期間を選択するだけで分析できます。運用工数も削減されました。
2.キャンペーン選択が目的別になり、効果にコミットした配信ができる
個人的には、キャンペーン選択が目的別になったメリットも大きく感じます。
確かに今までもクリック率の高い広告が優先して表示されたため、指標がわかりやすく運用はやりやすかったです。
ただアルゴリズムの変更によって、クリック率から目的別の指標に変わったため、広告効果にコミットしやすくなりました。
例えば、
- 獲得案件ではよりコンバージョンを見込めるユーザーへ
- 動画再生ではより再生してくれそうなユーザーへ
配信設計できるのはメリットです。
またアルゴリズムの変更により、より適したユーザーへ細かく配信できます。
ブランディング広告でもYDAは媒体候補に入れやすくなったのではないでしょうか。
3.キャンペーン設計がまとめられるため、管理しやすい
YDAではキャンペーン管理のしやすさも利点だと感じます。
YDNでは、広告掲載方式別にキャンペーンと広告グループを作成していました。
例えば、インフィード広告やターゲティングなどの広告掲載方式で複数分けられたキャンペーンの中に、さらに数多くの広告グループが紐づいていたのです。
それがYDAでは、目的別にキャンペーンを統合でき、コンバージョンのキャンペーン、動画再生のキャンペーンといった形で分類が可能に。
これによりキャンペーンの管理がしやすく、シンプルに使えるようになりました。
4.キャンペーンや画像などの構築や入稿が瞬時に出来るため、かなり楽
入稿のしやすさは格段にYDAで上がったと言えます。
画像・動画の登録も一括でできるので、入稿のスピードは上がりました。
また「別ターゲティングだけど同広告」のABテストを行いたいときは、広告グループをコピー&ペーストでスピーディーに設定が完了します。
分析に時間を割きたい運用業務において、操作性の向上はストレスを軽減してくれるので良い変更だったと思います。
YDAで変えてほしくなかったと感じる2点
YDAで変えてほしくなかったと感じる2点
- インフィード広告の設定が別途必要
- レポートの機能が使いづらい
ただ、変えてほしくなかった点も個人的にはあります。
あくまで個人の意見ではありますが、簡単に紹介します。
1.インフィード広告の設定が別途必要
YDNでも効果の高く人気のインフィード広告でしたが、YDA単体で選択できなくなったのは、デメリットが大きいと感じています。
インフィード広告を配信したいときは、レスポンシブ広告で作成後、ニュース面などのプレイスメントを指定して配信する必要があります。
設定上面倒であり、ここは変えてほしくなかったと感じるところです。
2.レポートの機能が使いづらい
レポートの作成・ダウンロードもわかりづらくなってしまったのも、マイナスポイントです。
今までは「キャンペーンや広告グループ別などでボタン選択→必要項目を選択してからダウンロード」と使いやすい使用でした。
ただYDAでは、「必要項目の選択→レポートのプレビューを表示する→ダウンロード」をしないと抽出できなくなったのです。抽出までのフローが長くなりました。
さらに「レポートのプレビューを表示する」ではタイムラグが発生し、若干ストレスを感じることもあります。
ここは今までのダウンロード方法のほうが良かったと思う点でした。
参考:YDAの入稿規定
YDAへの変更により入稿既定も変更されたのかと言えば、全く影響はありません。
YDNと入稿規定は変わりなく、今まで通り下記3つの広告タイプが挙げられます。
- バナー広告
- レスポンシブ、インフィード広告
- 動画広告
別途YDAの入稿規定もまとめているので、こちらの記事を参照していただけると幸いです。
YDN→YDAの変更点まとめ
本記事のまとめ
- YDAへ名称変更されたのはディスプレイ広告とプレミアム広告の統合によるもの
- YDAでターゲティングや配信面の変更は大きくない
- 主な変更点では、管理画面やアルゴリズムの変更がある
- 今回の変更で使いやすくなった点と使いにくい点があるため、徐々に新機能を使えるよう調整するのが良い
本記事では、YDAに変更されたことによる変更点についてまとめてみました。
基本的なターゲティング機能や配信面ではあまり変化ないため、YDNと同様の機能で使えると思います。
しかし、目的別のキャンペーン選択やアルゴリズムの変更は、今までのYDNのキャンペーン設計から変える必要が出てくるでしょう。
このアルゴリズムの変更は、より結果にコミットしやすくなる配信へと変えてくれると思うので、ぜひ良い設計を目指して調整してみてください。
もし「より実践的な運用ノウハウを知りたい」という場合は、弊社の知見をまとめた「Web広告成功の王道パターン&成功事例集」がおすすめです。
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投稿者
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「志を支援する」パーパスの元、デジタルマーケティング支援会社を経営。(2024年6期目/メンバー数約15名/最高年商2億)パーパスに共感したクライアントの成果創出を「誠実なエース人材のみ」でチームを構成し、エンドユーザー目線を徹底する方針で支援してます。
経歴:オプトで運用型広告コンサルタント→サイバーエージェントグループのウエディングパークにて、運用型広告の営業→WALTEXを創業。Speee様、KUMON様、DIGITALIO様など、大手から中小企業(ベンチャー/スタートアップ)まで支援実績インタビューをHPで公開中。