インプレッションシェアとは?5分でわかる計算式と損失率を改善する方法
最終更新日:2024年8月19日 | 投稿日:2022年11月9日
Google広告の指標のひとつである「インプレッションシェア」。
しかし「どんな指標なのかわからない」「運用にどう活かせばいいの?」といった疑問のある人もいるのではないでしょうか。
この記事では、上記のような疑問を持っている方に向けて、インプレッションシェアの意味や改善方法をまとめました。
実際の運用に活かせる内容を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
弊社では、Google広告の運用で「誰もが陥る5つの落とし穴と対策」をまとめた資料を無料でプレゼントしています。
100社以上の支援実績をもとにポイントを厳選したので「より成果を上げたい」とお考えの方は、以下のボタンからお気軽にダウンロードしてください。
目次
インプレッションシェアとは「広告の表示率」のこと
インプレッションシェアとは、広告が表示可能だった合計回数に対して、広告が実際に何回表示されたかを表す指標です。
キーワードや広告文を設定し、入札を行って広告を出稿することで、「この程度の回数広告表示が可能です」という回数が算出されます。
その回数に対して、「実際に表示された回数」が何割だったのかを確認できるのが、インプレッションシェアです。
※Yahoo!広告などにも同様の機能は存在しますが、この記事ではGoogle広告のインプレッションシェアについて解説します。
インプレッションシェアの種類4つ
インプレッションシェアには、広告の種類ごとに以下の4つが存在します。
- 検索広告のインプレッションシェア
- ディスプレイ広告のインプレッションシェア
- ショッピング広告のインプレッションシェア
- ホテル広告のインプレッションシェア
ひとつずつ確認していきましょう。
1.検索広告のインプレッションシェア
「検索広告のインプレッションシェア」は、検索ネットワークで広告が表示可能だった合計回数のうち、広告が実際に表示された回数を割合で表したものです。
以下の計算式で求めることができます。
検索広告のインプレッションシェア = 表示回数 ÷ 広告が表示可能だった合計回数
また、検索広告のインプレッションシェアに関しては、以下の3種類が存在します。
- 上部インプレッションシェア
- 最上部インプレッションシェア
- 完全一致のインプレッションシェア
それぞれ確認していきましょう。
1.上部インプレッションシェアと2.最上部インプレッションシェア
「上部インプレッションシェア」とは、検索結果の上部に広告が表示される可能性があった回数(オークションにかけられた回数)の中で、実際に検索結果の1番上に広告が表示された回数の割合です。
また「最上部インプレッションシェア」は、検索結果の最上部に広告が表示される可能性があった回数の中で、実際に検索結果の1番上に広告が表示された回数の割合です。
赤枠が「最上部」、青枠が「上部」とされる部分
これらの指標を確認することで、広告が表示される場所の変化がクリック率(CTR)にどう影響を与えるかを確認できます。
こちらは、以下の計算式で求められます。
- 検索広告のページ上部インプレッションシェア = 検索広告がページ上部に表示された回数 ÷ 合計上位インプレッション候補数(オークションにかけられた回数)
- 検索広告のページ最上部インプレッションシェア = 検索広告がページ最上部に表示された回数 ÷ 合計上位インプレッション候補数(オークションにかけられた回数)
実際に計算式を使った例は以下の通りです。
インプレッションシェアを求める計算式の例
- インプレッションシェア
1,000回表示可能だったが、実際に表示された回数は700回だった。
実際の表示回数700回 ÷ 表示可能な回数1,000回 = 0.7 = 70%
→インプレッションシェア:70% - 上部インプレッションシェア
100回上部に表示されるためのオークションにかけられたが、実際に最上部に表示されたのは60回だった。
実際の表示回数60回 ÷ 表示可能な回数100回 = 0.6 = 60%
→上部インプレッションシェア:60% - 最上部インプレッションシェア
100回最上部に表示されるためのオークションにかけられたが、実際に最上部に表示されたのは30回だった。
実際の表示回数30回 ÷ 表示可能な回数100回 = 0.3 = 30%
→最上部インプレッションシェア:30%
3.完全一致のインプレッションシェア
「完全一致のインプレッションシェア」は、キーワードと完全に一致する言葉で広告が表示された回数を、完全一致で表示される可能性があった回数で割った割合です。
※この場合の「完全一致で表示される可能性があった回数」は推定値です。
計算式は以下の通りです。
完全一致のインプレッションシェア = キーワードと完全に一致する言葉で広告が表示された回数 ÷ 完全一致で表示される可能性があった回数(推定値)
マッチタイプを部分一致に設定している場合、キーワードそのものだけでなく、キーワードに関連する言葉で検索が行われた場合にも広告が表示されます。
「完全一致のインプレッションシェア」例
キーワードを「低炭水化物ダイエット プラン」、マッチタイプを部分一致に設定している場合
→「低炭水化物ダイエット プラン」だけでなく、「炭水化物不要 食品」「ロカボ ダイエット」「低カロリー レシピ」などでも広告が表示される可能性がある
→「完全一致のインプレッションシェア」を確認することで、「低炭水化物ダイエット プラン」というキーワードのみを使った検索に対する広告の表示頻度がわかる
改善例
- 「完全一致のインプレッションシェア」が高く、「検索広告のインプレッションシェア」が低い場合
→キーワードを部分一致から完全一致にすることで、全体のインプレッションシェアが向上する
- 「完全一致のインプレッションシェア」「検索広告のインプレッションシェア」ともに低い場合
→インプレッションシェアの改善につながる対応を行う(後述)
マッチタイプに関しては以下の記事で詳しく解説しているので、「完全一致のインプレッションシェア」とともに広告の改善に役立てていただけると幸いです。
2.ディスプレイ広告のインプレッションシェア
「ディスプレイ広告のインプレッションシェア」は、ディスプレイネットワークで広告が表示可能だった合計回数のうち、広告が実際に表示された回数を割合で表したものです。
検索広告のインプレッションシェアと異なる点は、ネットワークのみです。
3.ショッピング広告のインプレッションシェア
「ショッピング広告のインプレッションシェア」は、ショッピング広告が表示可能だった合計回数のうち、広告が実際に表示された回数を割合で表したものです。
基本的には検索広告のインプレッションシェアと同様の指標です。
しかし、こちらは1回のオークションで複数の自社ショッピング広告が掲載されると、同時に掲載された広告の中で最も高いランクのものに表示機会が割り当てられます。
これは、インプレッションシェアの重複カウントを防ぐためです。
インプレッション自体はすべてのショッピング広告で発生します。
ですが、最初の広告が配信された後に同じオークションで獲得したインプレッション数は、インプレッションシェアには反映されません。
4.ホテル広告のインプレッションシェア
ホテル広告のインプレッションシェアは、ホテル広告予約モジュールのどこに表示されるかに基づいて算出されます。
ホテル広告が表示される場所は、以下の②④2箇所です。
- ホテル関連の検索を行うと表示される「①ホテル広告予約モジュール上部スロット」の②最上部部分
- 「③[その他○軒のホテルを表示]」を押すと表示される④メニュースロット
ホテル広告のインプレッションシェアは「検索広告のインプレッションシェア」と、検索広告と同名で表示されます。計算式も同様です。
インプレッションシェアで確認すべき2種類の「損失率」
指標「インプレッションシェア」は、その「損失率」も確認できます。
損失率とは、広告が表示可能だった合計回数のうち、何らかの原因で広告が表示されなかった回数の割合です。
インプレッションシェア損失率には、以下の2つの種類が存在します。
- インプレッションシェア損失率(予算)
- インプレッションシェア損失率(広告ランク)
ひとつずつ解説していきます。
1.インプレッションシェア損失率(予算)
「インプレッションシェア損失率(予算)」は、予算不足が原因で広告が表示されなかった回数の割合です。
広告が表示される可能性や機会は存在したものの、予算が足りないことで表示されなかった回数が、全体の何割あったかを表します。
インプレッションシェア損失率(予算)は、キャンペーン単位でのみ確認できます。
2.インプレッションシェア損失率(広告ランク)
「インプレッションシェア損失率(広告ランク)」は、広告ランクの低さが原因で広告が表示されなかった回数の割合です。
広告ランクとは
Googleのリスティング広告の掲載順位を決定する数値。
入札単価・品質スコア・広告表示オプションなどその他の要素から算出される。
入札単価・品質スコアが低い場合や、広告表示オプションを適切に使用していない場合、広告ランクが低くなってしまいます。
その結果、他社とのオークションに負けてしまい、広告が表示されないことがあります。
このようにして表示されなかった回数が、インプレッションシェア損失率(広告ランク)として表示されるのです。
Google広告の広告ランクについては以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
Google広告でのインプレッションシェアの確認方法2ステップ
ここでは、Google広告でインプレッションシェアを表示・確認する方法を2ステップでお伝えします。
1.管理画面右側の[表示項目]をクリック(キーワードページではその後[表示項目の変更]をクリック)
2.[競合指標]より、任意のインプレッションシェアに関する項目にチェックを入れ[適用]をクリック
以上の手順でインプレッションシェアを表示できます。
ちなみに、広告グループ・キーワードではインプレッションシェア損失率(予算)関連の指標が確認できません。
また、インプレッションシェア・インプレッションシェア損失率は広告単位での確認はできません。
インプレッションシェアを確認する際は、キャンペーン・広告グループ・キーワードのどの単位で確認しているのかをしっかり把握しておきましょう。
インプレッションシェアを改善する5つの方法
インプレッションシェアを改善する方法としては、以下の5つの方法が挙げられます。
- 予算を増やす
- キーワードやターゲットを厳選する
- 入札単価を上げる
- 広告の品質を改善する
- 広告表示オプションを設定する
ひとつずつ確認していきましょう。
1.予算を増やす:インプレッションシェア損失率(予算)の改善
キャンペーンの予算を増やすことは、インプレッションシェア損失率(予算)の改善につながります。
予算は広告の表示回数に大きく影響するため、予算を増やすことで、合計表示回数の割合が増加するでしょう。
2.キーワードやターゲットを厳選する:インプレッションシェア損失率(予算)の改善
キーワードや、地域・年齢・デバイスなどのターゲティングを厳選することで、インプレッションシェア損失率(予算)の改善につながるでしょう。
インプレッションシェアの損失が起きてしまうようなキーワードや地域・年齢・デバイスへの配信を控えることで、結果的にインプレッションシェアを上げられます。
しかし、キーワードやターゲティングを厳しく絞りすぎるとインプレッション数自体が減少してしまうため、注意が必要です。
ディスプレイ広告の場合は、「プレースメントの数を減らす」という方法がこれにあたります。
しかし、プレースメントの数を減らすことでインプレッションシェア向上の可能性はあるものの、広告の全体的な表示機会が減少してしまうでしょう。
現在のインプレッション数などを確認しながら、調整を行うことをおすすめします。
3.入札単価を上げる:インプレッションシェア損失率(広告ランク)の改善
入札単価を上げることで、特定の広告オークションで広告が表示される可能性が高まります。
キャンペーンの予算を増やすことと同様に、自身が広告にかけられる金額と相談しながら、入札単価の引き上げを検討するとよいでしょう。
4.広告の品質(品質スコア)を改善する:インプレッションシェア損失率(広告ランク)の改善
広告の品質(品質スコア)を改善することで広告ランクが上がるため、インプレッションシェア損失率(広告ランク)の改善につながります。
ユーザーの利便性を考えたWebページづくりを心がけましょう。
広告の品質(品質スコア)を改善する方法は、以下の記事にて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
また、ショッピング広告の場合は、登録している商品データの品質を以下のような方法で改善することがこれにあたります。
- 商品の重要な属性(ブランド名やサイズ、色など)を商品名に含める
- 高品質の画像を使用する
- 正確な商品データを登録する
- 商品データとランディングページ(LP)を一致させる
5.広告表示オプションを設定する:インプレッションシェア損失率(広告ランク)の改善
広告表示オプションを適切に設定することは、広告の品質(品質スコア)を改善すること同様、広告ランクの改善につながります。
広告表示オプションの設定は広告ランクを算出する3要素のひとつのため、ぜひ設定を行いましょう。
インプレッションシェア目的の運用はNG!
ここまでインプレッションシェアの概要や改善方法を解説しましたが、もう1点お伝えしたいポイントがあります。
それは「インプレッションシェアの改善が目的になってはいけない」ということです。
インプレッションシェアはあくまで広告のゴールを達成するためのひとつの指標であり、これ自体の改善が目的ではありません。
例えば、インプレッションシェアを改善するために入札単価を上げた結果、CPAが高騰してしまっては本末転倒です。
このように、手段と目的が入れ替わってしまわないよう意識しながら広告運用を行っていきましょう。
まとめ:インプレッションシェアを参考に広告の機会損失を減らそう
本記事のまとめ
- インプレッションシェアとは、広告が表示可能だった合計回数に対して、広告が実際に何回表示されたかを表す指標
- インプレッションシェアは損失率も確認でき、「予算」によるものと「広告ランク」によるものがある
- 予算の増加、キーワードの精査、広告の品質改善などでインプレッションシェアを改善できる
インプレッションシェアは広告を表示する機会を逃した回数を表すため、どれくらい機会損失したかの参考になります。
出したいキーワードやプレースメントに損失なく配信できているかチェックできるので、ぜひ定期的に確認してください。
弊社では、Google広告の運用で「誰もが陥る5つの落とし穴と対策」をまとめた資料を無料でプレゼントしています。
100社以上の支援実績をもとにポイントを厳選したので「より成果を上げたい」とお考えの方は、以下のボタンからお気軽にダウンロードしてください。
投稿者
-
「志を支援する」パーパスの元、デジタルマーケティング支援会社を経営。(2024年6期目/メンバー数約15名/最高年商2億)パーパスに共感したクライアントの成果創出を「誠実なエース人材のみ」でチームを構成し、エンドユーザー目線を徹底する方針で支援してます。
経歴:オプトで運用型広告コンサルタント→サイバーエージェントグループのウエディングパークにて、運用型広告の営業→WALTEXを創業。Speee様、KUMON様、DIGITALIO様など、大手から中小企業(ベンチャー/スタートアップ)まで支援実績インタビューをHPで公開中。