動的検索広告(DSA)とは?メリットや仕組み、設定方法など詳しく解説!
最終更新日:2024年8月19日 | 投稿日:2022年12月18日
リスティング広告においてキーワード選びや広告文作成は重要な工程ですが、大変だと感じることもあるのではないでしょうか?
そんなときに便利なのが、動的検索広告(DSA=Dynamic Search Ads)です。
本記事では、動的検索広告(DSA)とは何か、概要から実践的なノウハウまで詳しく解説します。
また、動的検索広告をはじめリスティング広告は機能が多く「うまく使いこなせない」という方も多いのではないでしょうか。
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目次
動的検索広告(DSA)とは”自動で出稿できるリスティング広告”のこと
従来の検索連動型広告では、広告主があらかじめ登録したキーワードに対して、ユーザーの検索語句が一致したときに広告が表示される仕組みです。
それに対し動的検索広告は、広告主はキーワードではなくWebサイト(ページ)自体を登録しておきます。
検索エンジンのクローラーという機能がWebサイトの情報を解析(クロール)し、ユーザーがWebサイトの情報と関連性の高い検索語句で検索したとき、自動で広告を表示する仕組みです。
広告の種類 | 広告主(運用者) | 検索エンジン |
従来の検索連動型広告 | キーワードを登録 | 検索語句と一致した時に広告表示 |
動的検索広告(DSA) | Webサイトを登録 | Webサイトと関連性の高い検索語句を自動で選んで広告表示 |
広告主としてはキーワード選定や登録を自動化できるので、近年のトレンドとして動的検索広告の活用機会が高まっています。
ちなみに入札単価はキーワード単位で設定できず、キャンペーンや広告グループ単位でのみ可能です。
動的検索広告が表示されるまでの仕組み
Webページの解析(クローリング)から、自動的に広告表示してくれるまでの流れは下記のようなイメージです。
従来の検索連動型広告と動的検索広告の流れは以下のように異なります。
- 検索連動型広告:キーワードと広告文の設定→ユーザーが検索→オークション発生→広告表示
- 動的検索広告:Webページ情報を解析→ユーザーが検索→オークションが発生→広告表示
なお、従来の検索連動型広告の仕組みをより把握したい場合はこちらの記事を参照いただけますと幸いです。
動的検索広告の3つのメリット
動的検索広告の3つのメリット
- キーワード選びが不要
- 検索語句に関連した広告が自動生成される
- 新たなキーワードの発見や効果改善につながる可能性がある
通常の検索連動型広告とは異なるものの、動的検索広告には大きく分けて3点のメリットが存在します。
全てに共通しているのは、自動で行ってくれるため、リソースの有効活用ができるという点です。
1つずつ説明していきます。
1.キーワード選びが不要
先述したように、動的検索広告の大きなメリットとして挙げられるのが、キーワードの事前設定作業が不要という点です。
動的検索広告では運用者が自らキーワードを選定せずとも、登録したWebページの情報を検索エンジンが自動で解析してくれます。
それにより、運用者のキーワード選定にかかる工数を削減し、広告文(説明文)やWebサイトなどの改善に時間を充てることが可能です。
実際、動的検索広告は精度も問題なく、見当違いな語句を拾うことも少ないので安心して利用できます。
2.検索語句に関連した広告が自動生成される
2つ目のメリットは、検索語句に関連した広告が自動的に生成されるという点です。
キーワード選びが不要な上に、表示される広告まで検索エンジンが判断し、自動で作成されるのですから、非常に優れた機能ではないでしょうか。
ただし、自動で生成されるのは以下の3つです。広告文については、運用者が設定しておく必要があります。
- 広告見出し
- 表示URL
- 最終表示URL(ランディングページ)
出稿する商材ジャンルによりますが、どんなキーワードにも対応できる広告文であることが望ましいです。
3.新たなキーワードの発見や効果改善につながる可能性がある
動的検索広告を活用すれば、運用者が頭を悩ませても思いつかなかった新キーワードの発見に繋がり、効果改善につながる可能性があります。
実際にYahoo!広告の場合は、クリックやコンバージョンともに効果が改善したという事例も出ています。
この結果からも新キーワードを自動的に見つけてくれる機能は、広告効果を最大化しやすくなります。
動的検索広告の2つのデメリット
動的検索広告の2つのデメリット
- 広告見出しの表現をコントロールできない
- キーワードごとの入札単価は調整できない
一見すると使わない手はない動的検索広告ですが、デメリットも発生します。
上記2つのデメリットについて、紹介いたします。
1.広告見出しの表現をコントロールできない
動的検索広告では、見出しまで自動生成されるというメリットはありますが、見出しの内容を自由に設定できません。
広告文が魅力的でないと、当然ですがクリックしてもらえません。
動的検索広告は便利な反面、見出しの表現をコントロールできない点はデメリットになるということも頭に入れておきましょう。
どのような見出しが表示されているか、定期的にチェックしておくことを推奨します。
2.キーワードごとの入札単価は調整できない
動的検索広告では、個々のキーワードの入札単価を調整することができません。
そのため、単価の低さから競合に負けて、広告表示できなくなるというリスクがあります。
このリスクを避けるために、確実に出したいキーワードは従来の検索連動型広告で登録しておき、個別に入札単価を調整するのも1つの手です。
動的検索広告(DSA)はこんなサイトにおすすめ
動的検索広告を活用すべきサイト
- 商品数が大量にあるECサイトや、コンテンツの充実した大規模サイト
- SEO対策がしっかり施されているサイト
動的検索広告を活用すべきサイトとしては、上記の2つが挙げられます。
それぞれについて、順番に解説していきます。
商品数が大量にあるECサイトや、コンテンツの充実した大規模サイト
まず1つ目に商品の種類・数が大量にあるECサイトや企業運営でコンテンツが充実している大規模サイトです。
このようなサイトは、商品種類やページの多さで1つずつキーワードや広告を作成すれば、膨大な時間がかかってしまうでしょう。
動的検索広告を活用すれば、サイトを解析して、適したキーワードと広告文を露出してくれます。
SEO対策がしっかり施されているサイト
動的検索広告はWebサイトのタイトルや見出しタグの文言等も解析対象となっています。
そのため、SEO対策でこれらのタグが整理されているサイトは、動的検索広告には非常に適しています。
既にSEO対策を実施している場合は、ぜひ動的検索広告を活用してみてください。
動的検索広告の設定方法
ここでは、Google広告とYahoo!広告における動的検索広告の設定手順を紹介します。
Google広告の設定方法
1.キャンペーン作成画面から、販売促進やトラフィックなど目的に合う目標と[検索]を選びます。
①[検索ネットワーク]を選択します。
②[動的検索広告の設定]をクリックして展開します。
2.ドメイン入力部分にドメインを入れ、[ウェブサイトのGoogleインデックスを使用する]を選択します。
3.残りのキャンペーン内容を入力し、[保存して次へ]をクリックします。
4.広告グループの設定画面で、
①広告グループの種類が[動的広告]になっていることを確認します。
②[お客様のサイトにおすすめのカテゴリ]で、適したものにチェックマークを入れます。
5.[保存して次へ]をクリックします。
※ターゲティングには、
- 特定のウェブページ(URLやページタイトルなどを指定)
- すべてのウェブページ
もあります。
ですが、慣れないうちは[お客様のサイトにおすすめのカテゴリ]の使用を推奨します。(Webサイトを読み込み、カテゴリに基づいてターゲティングしてくれます)
6.最後に広告作成画面で、
①広告の説明文を入力します。
②[完了]をクリックして終わりです。
Yahoo!広告の設定方法
1.広告管理ツールの[検索広告]タブをクリックします。
2.[キャンペーン管理]をクリックします。
3.キャンペーン一覧の上にある[キャンペーン作成]ボタンを押します。
4.キャンペーンタイプで[動的検索連動型広告キャンペーン]をクリックします。
5.対象となるウェブサイトの指定をここで行っていきます。
6.残りは通常のYahoo!広告と同様の設定になるため、その流れで設定していきましょう。
動的検索広告(DSA)を運用する際の4つの注意点
動的検索広告を運用する際の4つの注意点
- 成果に繋がりにくい対象ページやキーワードは除外設定しておく
- サイト内のSEO対策を施しておく
- ページが表示されないシステムエラー等は事前に解決しておく
- 画像メインのサイトやページの使用は避けておく
ここでは、動的検索広告を運用する際の4つの注意点を紹介します。
利用する際はこれらをチェックしてから進めてみてください。
1.成果に繋がりにくい対象ページやキーワードは除外設定しておく
動的検索広告のキーワード取得では、成果に繋がりにくいキーワード(会社概要、在庫切れ商品のページなど)も拾ってしまいます。
そのため、これらのページが表示されそうなキーワードはあらかじめ除外キーワードとして設定しておきましょう。
ページの除外については以下画像の通り、キャンペーン(または広告グループ)を選択し、左側メニューにある[除外動的広告ターゲット]から設定することができます。
2.サイト内のSEO対策を施しておく
先述した通り、動的検索広告はSEO対策が施されているサイトと相性良いので、サイト構造をしっかりと整えておきましょう。
逆に言えば、Webサイトのタイトルや説明文、見出しタグの文言など内部対策が不十分だと効果が薄くなってしまいます。
「せっかく配信しても効果悪かった」というリスクを避けるためにも、可能な限り対策を施しておくことが重要です。
3.ページが表示されないシステムエラー等は事前に解決しておく
動的検索広告はページを解析してキーワードや広告文を決めるので、システムエラーだと解析できません。
各ページがしっかり表示されているかの細かい確認も重要になります。
出稿するサイトの全ページが問題ないか、配信前に確認してみてください。
4.画像メインのサイトやページの使用は避けておく
画像がメインのサイトやページを動的検索広告で使用するのは、避けておいた方が良いでしょう。
動的検索広告はサイトのテキスト部分を中心的に取得しているため、画像だとキーワード取得の精度が落ちてしまう場合があります。
もし画像メインのページを配信したい場合は、従来の検索連動型広告を使用することを推奨します。
ページフィード機能により、URLを指定することも可能
ページフィードとは、動的検索広告を配信する際に、対象とするWebサイトのURL情報リストのことです。
ページフィードを使用すれば、登録したWebサイト内の対象URLを正確に指定することができます。
なお、Google広告におけるページフィードの設定方法は次の通りです。
1.まず、Excelやcsvなどで作成したページフィードを事前に作成しておきます。
Googleが推奨しているテンプレートがあるので、こちら(※)からダウンロードしてみてください。
※「右クリックでリンク先のアドレスをコピー→ブラウザの新規ウィンドウに貼り付け」でダウンロードできます
Google推奨のテンプレートイメージ▼
2.次にページフィードをアップロードします。管理画面から、
①[ツールと設定]をクリックします。
②[ビジネスデータ]をクリックします。
3.青い[+]ボタンをクリックします。
4.[ページフィード]をクリックします。
5.アップロード画面から、
①データ名の入力、ファイルをアップロードをします。
②[適用]をクリックします。
6.ページフィードがアップロードできたら、キャンペーン作成画面の動的検索広告の設定時に[自分のページフィードのURLのみを使用する]を選択します。
その後は手順に従ってキャンペーンを作成してください。
【参考】自動で出し分けをするレスポンシブ検索広告との違い
動的検索広告とレスポンシブ検索広告との違いは何でしょうか。
大きく分けると動的検索広告はリスティング広告の機能の一部ですが、レスポンシブ検索広告は検索連動型広告のフォーマットの一部です。
また、動的検索広告の広告見出しはコントロールが不可なのに対し、レスポンシブ検索広告はある程度コントロールが可能です。
それぞれ自動で広告を表示する機能ですが、意図して設定したものかどうかの違いがあります。
なおレスポンシブ検索広告については、下記記事で詳細にまとめています。こちらもあわせて参考にしてみてください。
動的検索広告は、従来の検索連動型広告とも併用するのが効果的
広告を自動生成してくれる便利な動的検索広告ですが、頼り過ぎも禁物です。
マッチタイプが完全一致なら、動的検索広告よりも、従来の検索連動型広告で設定したキーワードの方が優先して広告表示されるようなケースもあるためです。
そのため、効果が良いわかっているキーワードについては、検索連動型広告と併用するのが効果的です。
動的検索広告のまとめ
本記事のまとめ
- 動的検索広告はWebサイトを解析しキーワードや広告文を自動生成する機能
- 運用を効率的&効果的にする便利な機能
- EC商材やSEOがしっかりしているサイトにおすすめ
動的検索広告は運用を効率化し、成果の改善にも繋がる便利な機能です。
動的検索広告を活用して、より効率的・効果的にリスティング広告を運用していきましょう。
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投稿者
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「志を支援する」パーパスの元、デジタルマーケティング支援会社を経営。(2024年6期目/メンバー数約15名/最高年商2億)パーパスに共感したクライアントの成果創出を「誠実なエース人材のみ」でチームを構成し、エンドユーザー目線を徹底する方針で支援してます。
経歴:オプトで運用型広告コンサルタント→サイバーエージェントグループのウエディングパークにて、運用型広告の営業→WALTEXを創業。Speee様、KUMON様、DIGITALIO様など、大手から中小企業(ベンチャー/スタートアップ)まで支援実績インタビューをHPで公開中。