3分でわかるダイナミック広告とは?使うべきか迷った人が知るべき全知識
最終更新日:2023年2月3日 | 投稿日:2022年5月15日
運用型広告を実施していると、ダイナミック広告の活用を検討している方は多いのではないでしょうか。
あるいは、広告代理店からダイナミック広告の提案を受けているもののどういうものかよく分からない、という方もいらっしゃると思います。
本記事ではこのような方に向けて、ダイナミック広告の基本的な知識やメリットデメリット、またどんな場合にダイナミック広告を実施すべきかをまとめております。
3分程度で読めるので、ダイナミック広告の導入の判断材料としてぜひ参考にしてみてください。
ダイナミック広告とは
ダイナミック広告とは、ユーザーのサイト閲覧状況に応じて広告を自動生成し、掲載される広告手法のことを言います。
ダイナミック=「動的」という意味をもち、ユーザーの状況に合わせて、一人一人に最適化された広告クリエイティブが柔軟に掲載される仕組みとなっています。
例えば、あるサイトで商品やサービスを見た後などに、自分が閲覧した商品や類似の商品がピックアップされて掲載されている広告を見たことはありませんか?
出典:Criteo
従来の広告手法では、ターゲットを細分化しそれぞれにクリエイティブを入稿していました。
しかし、ダイナミック広告の出現により自動的にユーザーごとに最適化された広告を出稿できるようになり、多くの広告主に活用されています。
ダイナミック広告の仕組み
それでは、どのようにして一人一人に最適化された広告を掲載することができるのでしょうか。
ダイナミック広告が掲載される一連の流れは下記の通りです。
- ユーザーが広告主のサイトに訪れ、コンバージョンせずに離脱する
- ユーザーの行動履歴や閲覧状況の情報がダイナミック広告のデータベースに送られる
- サイト離脱後、上記の情報とデータフィードを元にそのユーザーに最適な広告が表示される
データフィードとは、サイトに掲載されている商品一覧の詳細データのことを指します。
例えば、小売業であれば商品の名称や価格、品番などのデータ、フライト予約であれば出発地の名前と目的地の名前などのデータです。
広告主が事前にデータフィードを入稿しておくことで、広告媒体側がユーザーの行動履歴に合わせてデータフィードより最適な商品を選択し、広告として掲載するといった仕組みになっています。
代表的なダイナミック広告の種類
次に、ダイナミック広告の種類について紹介していきます。
広告の種類 | 広告媒体 |
---|---|
ディスプレイ広告 | Google Dynamic Remarketing |
Criteo | |
Yahoo!ディスプレイ広告の動的ディスプレイ広告 | |
SNS広告 | Facebook(Instagram)のダイナミック広告 |
LINE Dynamic Ads | |
検索広告 | 動的検索広告(Google) |
順番に解説していきます。
Google Dynamic Remarketing
Web広告の中でもシェアの高いGoogle広告が提供するダイナミック広告です。
Googleディスプレイネットワーク(GDN)という世界最大の広告ネットワークに、最低出稿金額の設定なく出稿することが可能です。
リスティング広告やディスプレイ広告ですでに利用している場合は既存のアカウントに追加で始めることができるため、すぐに始めやすいのもメリットです。
Criteo
ダイナミックリターゲティング広告で有名なサービスの一つに、Criteoがあります。
Criteoの特徴は、GDNとYDN(Yahoo!のディスプレイネットワーク)双方に配信が可能ということです。
つまり、GoogleとYahoo!がほぼ100%のシェアを締めている日本では、ダイナミック広告において日本最大級の配信スケールを持っているといえます。
ただし、最低出稿価格(現在は50万円、クリック課金制)が設定されていることは留意しておきましょう。
Yahoo!ディスプレイ広告の動的ディスプレイ広告
Yahoo!のディスプレイ広告でもダイナミック広告の配信が可能です。
日本最大級の検索エンジンであるYahoo!Japanのトップページや、Yahoo!ニュースなどのYahoo!の各サービスページなど、閲覧数の多い場所に掲載できるといった強みをもっています。
Yahoo!のダイナミック広告では事前のテストマーケティングにおいて、従来のリターゲティング広告と比較しクリック率が約5倍(スマートフォンで約2倍)、コンバージョン率が約4倍(スマートフォンで約2倍)の大幅改善したという検証結果も公表されています。
Facebook(Instagram)のダイナミック広告
Facebook(Instagram)のダイナミック広告は、FacebookやInstagram、Audience Network、Messengerといった広告面に配信することができます。
ユーザーの登録情報に基づく正確なデータを有しており、ターゲティング精度が高いことがFacebook広告の強みです。
また、価格部分に価格以外の情報を入れることができるなど、他のダイナミック広告と比較しクリエイティブフォーマットの自由度が高いことも特徴です。
参考:Audience Networkとは、Facebook社が提携している他のモバイルアプリに、Facebookのターゲティング機能を活かしたまま広告配信できる仕組みのことを指します。
LINE Dynamic Ads
LINE広告でもダイナミック広告を配信することが可能です。
月間アクティブユーザーが日本人口の約70%にあたる6,800万人と、圧倒的な数のユーザーにリーチできることがLINE広告の強み。
老若男女問わず利用ユーザーが多いため、他の媒体ではリーチできないような層にもアプローチし、新規顧客となってもらうきっかけを作ることができます。
動的検索広告(Google)
これまで紹介してきたのはディスプレイ広告のダイナミック広告ですが、実は検索広告でもダイナミック広告は存在します。
Googleが提供する、動的検索広告=Dynamic Search Ads(DSA)と呼ばれるものです。
従来の検索広告はキーワードを指定しますが、動的検索広告ではURLを指定します。
URL内のコンテンツに関連性の高い検索語句で検索がされた際に表示がされるという仕組みです。
加えて、ユーザーの実際の検索語句に合わせて広告文が自動生成されるため、キーワードと広告文の設定という手間のかかる作業を削減することができます。
動的検索広告については下記の記事で詳しく解説しております。
ダイナミック広告の3つのメリット
ダイナミック広告には次の3つのメリットがあります。
- 広告パフォーマンスの向上が見込める
- クリエイティブ制作の工数削減
- 類似ユーザーの配信で新規顧客獲得にも活用可能
一つずつ解説していきます。
1. 広告パフォーマンスの向上が見込める
ダイナミック広告ではユーザーの行動履歴や閲覧状況に合わせて、最適な広告クリエイティブを配信してくれます。
通常の広告でも属性や興味関心などでターゲティングは可能ですが、各ユーザーにカスタマイズされて広告が掲載されるのはダイナミック広告ならではです。
ユーザーにとっては、より自身の興味関心度の高い広告が表示されるため、通常のディスプレイ広告と比較するとCTRやCVRが高くなる傾向にあります。
参考:
CTR(Click Through Rate)=クリック率
CVR(Conversion Rate)=コンバージョン率
2. クリエイティブ制作の工数削減
従来のディスプレイ広告では、それぞれのターゲティング内容に合わせて画像やテキストの準備が必要です。
一方、ダイナミック広告はデータフィードを入稿しておけば、そこから最適な広告クリエイティブを自動生成してくれるため、クリエイティブ制作の工数削減が可能です。
ただし、古い情報が広告配信されることがないよう、データフィードは常に最新にしておきましょう。
3. 類似ユーザーの配信で新規顧客獲得にも活用可能
リターゲティング(見込み客の獲得)広告のイメージが強いダイナミック広告ですが、実は認知拡大にも活用することもできます。
媒体により異なりますが、下記のような形で見込み客以外にもダイナミック広告のフォーマットが活用できます。
- 自社サイトに訪れたことがないが、自社が提供しているタイプのサービスに興味関心があるユーザーへの広告配信
- Webサイトで商品の閲覧や購買をしたユーザーに類似したユーザーに対して広告配信
こういった配信は一般的に「プロスペクティング配信」と呼ばれ、潜在顧客へのリーチに効果的です。
ダイナミック広告3つのデメリット
一方、ダイナミック広告には下記3つのデメリットも存在します。
- ダイナミック広告に適していない業種もある
- 配信までに手間がかかる
- クリエイティブ検証には適さない
こちらも解説していきます。
1. ダイナミック広告に適していない業種もある
基本的にダイナミック広告には業種制限はなく、どの業種でも利用自体は可能です。しかし、相性の良し悪しがあることは押さえておきましょう。
ダイナミック広告とマッチするのは、商品やサービスの数が多い業種です。例えば、
- 小売業(EC)
- 旅行業界(フライト、ホテル)
- 不動産業界
- 人材業界
- 地域情報サービス
などの業種は一般的に相性が良いと言われています。
サイトに掲載している商品数自体が少ないと、生成されるクリエイティブも同一パターンとなってしまいます。
こうなってはダイナミック広告の良さが活かせないため、導入を検討する際には自社サービスと相性が良いか見極めることが大事です。
2. 配信までに手間がかかる
ダイナミック広告を始めるには、データフィードと呼ばれる商品データの準備に加えて、タグの発行や設置などといった準備が必要になります。
タグの設置はユーザーを判別するために必須の工程ですが、サイト内の多数のページへの適切なタグ設置など、リソースとリテラシーが要求されます。
もし設置がうまくいかなければ、正しいユーザー判別や広告計測ができないだけでなく、サイトの動作自体に影響を及ぼしてしまう可能性もあります。
今後ダイナミック広告を導入していきたいのであれば、広告代理店への外注も検討してみることをおすすめいたします。
弊社WALTEXでは以下の内容でWeb広告の運用を承っております。
- 最低配信費縛りなし
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3.クリエイティブ検証には適さない
ユーザーの行動履歴に合わせてカスタマイズした広告を自動生成してくれるダイナミック広告。
裏を返すと、クリエイティブのABテストなどといったクリエイティブの効果検証には適していないと言えます。
もしバナーなどのクリエイティブ検証を行いたいのであれば、通常のディスプレイ広告を用いて、同一条件下で広告配信をする方がベターです。
またダイナミック広告では、異なる組み合わせの広告が無数に出来上がりますが、そのすべての組み合わせの広告数値が計測できるわけではないことも心得ておきましょう。
どんな場合にダイナミック広告を実施すべきか
ダイナミック広告を実施する際にありがちな失敗として、「代理店に進められるがままに始めたけれども設定の工数費用を取られてそこまで成果が向上しなかった」という話をよく聞きます。
そのようなケースに陥らないよう、ここではどんな場合にダイナミック広告を実施するのが良いのかを紹介していきます。
サイトの訪問者数が多いとき
複数商品を取り扱うサイトがダイナミック広告の相性が良いのは先述の通りですが、それに加えてサイトの訪問者数も大事なポイントになります。
ユーザーの嗜好に合わせて広告をカスタマイズすることで強みが発揮されるダイナミック広告は、サイトの訪問者数が少ないと効果が薄れてしまいます。
例えばCriteoでは、掲載条件に「月間4万のサイトユーザー数を持っていること」を設定しています(2021年5月現在)。
大体ではありますが、商品は10点以上、サイトユーザー数は月間1万ユーザー以上ほどからが導入検討の目安となるでしょう。
そうでない場合は、ダイナミック広告以外のフォーマットでサイトへの流入数を増やす施策も同時に行うことをおすすめします。
広告のCTRを向上させたいとき
ダイナミック広告の活用による広告パフォーマンスの改善において、ダイレクトに響くのは主にCTRの部分となります。
もし運用している広告のボトルネックがCTRである場合、ダイナミック広告の導入を検討するのは合理的といえます。
一方、CTRは問題ないけれどもCVRに課題がある場合、まずはターゲティング先やLPを見直すことを優先的に行った方が良いかもしれません。
広告のコンバージョンが出ていない際にダイナミック広告を提案や検討されるケースが多いかと思いますが、あくまで「機能の一つ」と捉え、自社の課題解決に最適な方法なのかを見定めましょう。
まとめ
本記事のまとめ
- ダイナミック広告とは、ユーザーの行動履歴に基づいた最適なクリエイティブが表示される広告のこと
- 商品取扱数、月間サイト訪問者数が多いサイトは相性がよく、効果的に働きやすい
- そうでない場合、配信準備の手間に見合った成果の向上がみられない可能性もあるため見極めが必要
今回はダイナミック広告について解説いたしました。
大規模なECサイトなどにとって、クリエイティブ出し分けの手間も省けて、かつユーザーの興味を引きやすいダイナミック広告は非常にメリットの大きい広告手法です。
一方、すべての業種やサイトにおいて効果があるわけではないことも解説いたしました。
ダイナミック広告に限らず、どのような広告手法や機能も自社の課題解決に繋がるかどうかの判断は非常に重要です。
弊社WALTEXでは、事業の成長・課題解決のパートナーとして全体戦略から携わり、貴社の課題解決に合わせた広告提案をいたします。
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投稿者
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「志を支援する」パーパスの元、デジタルマーケティング支援会社を経営。(2024年6期目/メンバー数約15名/最高年商2億)パーパスに共感したクライアントの成果創出を「誠実なエース人材のみ」でチームを構成し、エンドユーザー目線を徹底する方針で支援してます。
経歴:オプトで運用型広告コンサルタント→サイバーエージェントグループのウエディングパークにて、運用型広告の営業→WALTEXを創業。Speee様、KUMON様、DIGITALIO様など、大手から中小企業(ベンチャー/スタートアップ)まで支援実績インタビューをHPで公開中。