デジタルマーケティングでKPIに設定すべき重要な10個の指標
最終更新日:2024年8月19日 | 投稿日:2022年11月6日
目標達成のために設定されるKPI。しかし、指標にはさまざまなものがあり、初めて設定する方は戸惑ってしまうのではないでしょうか。
そこで本記事は、デジタルマーケティングでKPIに設定すべき重要な10個の指標をまとめました。
KPIを目的別に分類した表や、KPIを設定するメリット・意識したいポイントなども掲載しているので、ぜひKPI設定の参考にしてください。
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目次
KPIとは
KPIとは、ビジネスの目標である「KGI」を達成するために、
- 何を
- どれくらい
- どの期間までに達成するのか
を数値で表したものです。「Key Performance Indicator」の略称となります。
KGI,KSF(KFS,CSF),OKRとの違い
KPIに似た用語に、
- KGI
- KSF(KFS,CSF)
- OKR
があります。それぞれ、以下のような意味を持つ用語です。
用語 | 意味 |
---|---|
KGI |
|
KSF(またはKFS,CSF) |
|
OKR |
|
デジタルマーケティングのKPIに用いられる指標10選
ここからは、デジタルマーケティングにおいてKPIとして用いられることが多い指標について紹介します。
- CPA(顧客獲得単価)
- CV数、CVR(コンバージョン率)
- ROAS
- エンゲージメント率
- クリック数、CTR(クリック率)
- PV(ページビュー)数
- セッション数
- リピート率
- 回遊率、離脱率、直帰率
- UU(ユニークユーザー)数
それぞれ、どのようなシーンで用いることが最適かなども含めて、確認していきましょう。
1.CPA(顧客獲得単価)
CPAとは、1CV(コンバージョン)を獲得するのにかかった費用のことを指します。(CVについては次の見出しで紹介します)
「Cost per Acquisition」または「Cost Per Action」の略称で、日本語では「顧客獲得単価」と呼ばれます。
CPAを求める公式は「デジタルマーケティングにかかった費用÷獲得したCV数」です。
CPAが低ければ低いほど、広告の効果が高いといえます。逆にCPAが高いときは、マーケティング費用が高騰している状態です。
デジタルマーケティングの効果を高めるための指標として、「3ヵ月間のCPAを○円にする」といったようにKPIを設定します。
2.CV数、CVR(コンバージョン率)
CV、CVRはそれぞれ以下のような意味を指します。
用語 | 意味 |
---|---|
CV(コンバージョン) | マーケティングにおいてユーザーがマーケティングの目的・目標とするアクションを起こしてくれた状態 |
CVR(コンバージョン率) | 広告のクリック数やセッション数に対してどの程度CVがあったかという割合 |
CVはビジネスの形態やその目的によって異なります。
具体的なCVの種類としては、以下のようなものが挙げられます。
ビジネスの形態や目的 | CVの種類 |
---|---|
商品を販売している | 商品購入 |
サービス資料やホワイトペーパーを配布している | 資料請求 |
ウェビナー・セミナーの集客をしている | 参加申し込み |
3.ROAS
ROASは一般的に、ユーザーが商品やサービスに対して1回あたりに利用した金額のことを指します。
「Return On Advertising Spend」の略称で、日本語では「広告費用対効果」という意味を持ちます。
ROASは割合(%)で表され、「売上÷広告費×100」という式で計算可能です。
広告が売上に貢献しているかどうかを確認できる数値のため、「リスティング広告のROASを3ヵ月で○%向上させる」といったように用いられます。
4.エンゲージメント率
エンゲージメント率は、投稿などに対する反応の数を指す指標です。
「反応」の例としては以下のようなものがあります。
- いいね
- リツイート(RT)
- 返信(リプライ)
- 画像や動画の表示
- 投稿の詳細のクリック
- リンクのクリック
- ハッシュタグのクリック
主に記事などの投稿に対して用いられる指標のため、SNSなどを活用する場合に用いられることが多いです。
上記の反応すべてを含めて「エンゲージメント数を○%増加させる」というKPIを設定する場合のほか、「いいね数を○%増加させる」という設定もありえます。
5.クリック数、CTR(クリック率)
クリック数はリンクがクリックされた数を指します。また、CTR(クリック率)は「リンクを見たユーザーのうち何人がリンクをクリックしたか」という割合です。
広告だけでなく、LP内のURLのクリック数なども含む場合があります。
広告の良し悪しや、自社の商品やサービスに興味を持ってくれた人の割合などを確認したい場合に用いられるKPIです。
6.PV(ページビュー)数
PV(ページビュー)数は、Webサイト内のページが表示された回数です。クリック数と同じく、自社の商品やサービスに興味を持ってくれた人の割合を測れます。
ページごとのPV数を確認すれば、どのページにもっともユーザーの興味が集まっているのかが確認できます。
また、クリック数を測定できない経路の場合、流入を限定したWebページを作ることでどの程度のユーザーがページを閲覧したかを確認することが可能です。
7.セッション数
セッション数は、「ユーザーがWebサイトに訪問する→離脱する」という行動の数です。
Webサイトに訪問した時点でWebページを表示していることになるため、PVと似ているように感じる方もいるでしょう。
しかし図のとおり、セッションはそのWebサイトから離脱する(ブラウザを閉じる/他サイトに移動する)まで自社Webサイト内のどのページを表示しても「1」しかカウントされません。
Webサイトにどの程度の集客力があるのかや、新規ユーザーとリピーターの割合などを確認したい場合に用いられるKPIです。
8.リピート率、解約率
リピート率は、言葉のとおり再び商品やサービスを購入してくれたユーザーの割合を表します。
解約率は、定期購入、サブスクリプションといった商品・サービスの契約数に対して、解約されてしまった数の割合です。
定期購入サービスを行っていない商品でも、化粧品や食品などの消耗品は特に繰り返し購入されることがあります。
リピート率や解約率をKPIに設定することで、ユーザーが商品・サービスに抱いている満足度の向上を図れるでしょう。
9.回遊率、離脱率、直帰率
回遊率、離脱率、直帰率は、それぞれ以下のような意味を持つ指標です。
指標 | 意味 |
---|---|
回遊率 | セッション数に対して、PV数がどの程度あったかという割合 |
離脱率 | 1セッションのなかで、該当ページが「最後に閲覧したページ」になった割合 |
直帰率 | 全PV数に対して、Webサイトの1ページしか閲覧せずに離脱してしまったセッション数がどの程度あったかという割合 |
回遊率はWebサイトにより深い興味を持っているユーザーの割合、
- 離脱率はWebサイト閲覧の最後のページとなってしまう割合が高いページ
- 直帰率は回遊につながりやすい・つながりにくいページ
がわかります。
Webサイトに興味を持ってほしい場合は「回遊率を○%高める」、そのページからWebサイトの他のページに遷移してほしい場合は「離脱率を○%下げる」「直帰率を○%下げる」というようにKPIを設定すると良いでしょう。
10.UU(ユニークユーザー)数
Webサイトを訪問したブラウザ、デバイスの数を指す指標です。「ユーザー」とはいうものの、実際にはアクセスしたブラウザやデバイスの数をカウントしています。
例えば、1人のユーザーがPCとスマートフォンを利用して同じWebサイトにアクセスしたとき、UU数は「2」となります。
しかし、1人のユーザーが10個も20個もデバイスを持って同じWebサイトにアクセスすることはまず考えにくいです。
そのため、UU数=Webサイトにアクセスしている人おおよその数と考えて良いでしょう。
Webサイトに実際に訪れている人の数や、認知度・ファン数の増加をKGIとする場合に最適なKPIです。
目的別!デジタルマーケティングでよく使われるKPI
ここまでご紹介したデジタルマーケティングでよく使われるKPIを、目的別にまとめました。ぜひ参考にしてください。
目的 | 主なKPI |
---|---|
商品・サービスの購入 |
|
商品・サービスの認知 |
|
商品・サービスのリピート |
|
アプリ・ゲームのダウンロード |
|
セミナーやイベントの集客 |
|
SNSフォロワー数の増加 |
|
KPIを設定する4つのメリット
ここからは、KPIを設定する4つのメリットについて紹介します。
- チームとして目指すべき方向を意識できる
- 解決すべき課題を把握して行動できる
- モチベーションアップにつながる
- 改善点を見つけやすい
順番にお伝えしていきます。
1.チームとして目指すべき方向を意識できる
KPIを設定することで、KPI達成のために目指すべき方向が明確になります。このため、チームとして目指すべき方向を常に意識して業務にあたることが可能です。
多くの場合、マーケティングはチームで動きます。チームメンバーがそれぞれバラバラの方向に動いていては、達成できる目標も達成できません。
このため、チームとして目指すべき方向を意識できることは大きなメリットです。
また、どのような行動指針をもって動いているのかを他部署など外部に伝える場合も、共有しやすくなります。
2.解決すべき課題を把握して行動できる
先述したとおり、解決すべき課題がわからないままやみくもに行動していては、目標達成までに時間がかかってしまいます。
KPIを設定することで、解決すべき課題を明確に把握することが可能です。
このため、目標達成に向けて無駄なく動けるほか、目的意識を持って業務に取り組めます。
3.モチベーションアップにつながる
メリット1,2の影響から、社員が業務に取り組む際のモチベーションアップにつながる点も大きなメリットです。
向かうべき方向がわかったうえで行動するのとそうでないのとでは、モチベーションの維持に大きな違いが出ます。
目指すべき目標、解決すべき課題を明確にしておくことは、何かを達成しようとする際に不可欠なことです。
4.改善点を見つけやすい
KPIを設定することで、課題を明確にしたうえでその解決のために動くことができます。
「何のためにこの業務をおこなっているのか」という、業務に対しての理解も深まりやすくなるでしょう。
その結果「どのように業務をおこなえば課題の解決に近づくか」という考えを持ちやすくなり、取り組んでいることに対しての改善点を見つけやすくなります。
KPIを設定する際に重要な3つのポイント
ここからは、KPIを設定する際に押さえておきたいポイントについて解説していきます。
- 達成できる数値であるか確認する
- どのような効果がもたらされるのか予想しておく
- デジタルマーケティング戦略の1ステップであることを理解する
1つずつ紹介していきます。
1.達成できる数値であるか確認する
KPIは、現実的に達成できる数値を設定しましょう。
達成が難しいKPIを設定してしまうと、
- KGIが達成できない
- 逆にモチベーションが下がってしまう
という悪影響が出るおそれがあります。
KPIとして選んだ指標の大まかな増え方を確認しておくことで、達成不可能な目標を設定してしまうことを避けられるでしょう。
達成不可能に近いKPIを設定してしまった場合は、KSFの分析内容を見直してみることも効果的です。
2.どのような効果がもたらされるのか予想しておく
設定したKPIがビジネスにどのような効果をもたらすのかを予想しておくことも大切なポイントです。
「何のためにそのKPIを設定するのか?」というところまで考えておきましょう。
そうすることで、KPIが達成された際、求めていた効果が得られたかどうかという答え合わせができます。
思っていたような効果が得られなかった場合は、KPIの設定から改善することが必要です。
その場合においても、どのような効果がもたらされるのか予想しておけば、改善点を見つけやすくなります。
3.デジタルマーケティング戦略の1ステップであることを理解する
KPI設定はデジタルマーケティング戦略を立案するためのステップの1つです。
効果の高いデジタルマーケティングを実施したい場合、戦略立案は必要不可欠です。
KPIの達成だけを目標とせず、視野を広く持って「デジタルマーケティングの成功」に向けてKPIを設定するよう意識しましょう。
なおデジタルマーケティング戦略に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
まとめ:KPIを活用してデジタルマーケティングを成功させよう
本記事のまとめ
- デジタルマーケティングを実施する目的に合わせてKPIを設定する
- 現実的に達成できる数値か確認し、達成後どのような効果がもたらされるのか把握しておく
- 最終目標は「KPIの達成」ではなく「デジタルマーケティングの成功」
KPIとなる指標にはさまざまな種類があります。実施するデジタルマーケティングに合わせて、KPIを設定しましょう。
また、あくまで最終的な目標は「KPIの達成」ではなく「デジタルマーケティングの成功」であるはずです。
KPI設定の際は視野を広く持ち、現実的な数値を目標として設定しましょう。
なお弊社では、代表的なデジタルマーケティングの施策であるWeb広告の王道パターンや成功事例をまとめた資料をプレゼントしています。
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投稿者
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「志を支援する」パーパスの元、デジタルマーケティング支援会社を経営。(2024年6期目/メンバー数約15名/最高年商2億)パーパスに共感したクライアントの成果創出を「誠実なエース人材のみ」でチームを構成し、エンドユーザー目線を徹底する方針で支援してます。
経歴:オプトで運用型広告コンサルタント→サイバーエージェントグループのウエディングパークにて、運用型広告の営業→WALTEXを創業。Speee様、KUMON様、DIGITALIO様など、大手から中小企業(ベンチャー/スタートアップ)まで支援実績インタビューをHPで公開中。