BtoBマーケティング戦略とは?具体的な施策11選とポイントを解説
最終更新日:2023年2月3日 | 投稿日:2022年9月2日
「BtoBマーケティングがなかなかうまくいかない」
「どのような流れでBtoBマーケティングを進めていけば良いのかわからない」
本記事はこのような方に向けて、BtoBマーケティングの戦略について詳しくまとめました。
基本的な流れや、具体的な施策、押さえておきたいポイントも紹介しているので、ぜひBtoBマーケティング実施時の参考にしてください。
なお弊社では、BtoBマーケティングでも重要な手法のひとつである「Web広告」の王道パターンや、成功事例をまとめた資料をプレゼントしています。
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目次
BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違い
BtoB(企業対企業)マーケティングとBtoC(企業対個人)マーケティングの大きな違いは、以下のポイントにあります。
BtoBマーケティングの特徴
- 対象となる顧客:企業
- 情報収集者・購入決定者:別々のケースがある
- 購入までの期間:1ヵ月〜数ヵ月ほど
対象となる顧客は、いわずもがなですが、BtoBが企業、BtoCが一般消費者となります。
商品やサービスに対する情報収集者と購入決定者は、BtoCの場合はどちらも消費者です。
しかし、BtoBの場合は情報収集者と購入決定者が異なる場合があります。
例えば、
- 情報収集者→実際に商品やサービスを利用する人
- 購入決定者→社長
といった具合です。
さらに、購入までの期間も異なります。BtoCの場合は、商品やサービスを見つけてすぐに購入・申し込みをする場合も多いです。
しかしBtoBの場合は検討期間が長い傾向にあり、購入までに1ヵ月~数ヵ月かかることもあります。
これらのポイントを意識して、BtoBマーケティングを進めていきましょう。
BtoBマーケティングの戦略を実行する上での基本の流れ
ここからは、BtoBマーケティングの戦略を実行する上での以下の基本的な流れを、ステップごとに解説していきます。
- リードジェネレーション(見込み客の創出)
- リードナーチャリング(見込み客の育成)
- リードクオリフィケーション(見込み客の選別)
- リードへのアプローチ
- サービスや商品の継続利用促進
それぞれのステップごとの課題や、課題解決のための戦略の立て方を確認していきましょう。
STEP1.リードジェネレーション
リードジェネレーションとは、「見込み客を作り出す・創出する」という意味を持つ言葉です。
自社の商品・サービスに興味を持ち、購入する可能性のある「見込み客」を生むための活動です。
みずから対象となる顧客にアプローチし、商品やサービスの認知度向上や、興味を持ってもらうことを目的とします。
例えば、以下のような活動です。
リードジェネレーション施策の例
- 広告の配信
- SNSでの情報発信
- テレアポの実施
- チラシ・DMの送付
- 展示会・イベントへの参加
ただし、商品やサービスに対する認知度ゼロの状態から認知している状態にするため、ハードルが高い部分でもあります。やみくもにアプローチをかけても、なかなかうまくいきません。
そのため、興味を持ってもらえそうな対象を想定した上で、その対象となる人に施策を実施することが重要です。
上記のような手順にしたがって作業を進めることで、リードジェネレーションの成功の可能性が高まります。
STEP2.リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、「リードを育てる」という意味の言葉です。
STEP1で創出したリード(見込み客)の
- 商品を購入したい!
- サービスを利用したい!
といった気持ちを育てるステップになります。
創出したリードに対して何のアプローチもしないままでは、商品やサービスのことを忘れられてしまうでしょう。
そのため、リードジェネレーションのステップを無駄にしないために、リードにアプローチしていくのがリードナーチャリングです。
具体的には、
- 購入・利用前に知っておくべき知識
- 商品やサービスの便利な使い方
- リードが抱えている課題に対する、自社サービスを利用した解決方法
- 業界の基礎知識やトレンド等のノウハウ
などを提案します。
STEP3.リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションとは、「リードを選別する」という意味の言葉です。
ナーチャリングしたリードのなかでも、さらに見込みの高いリードを選別するステップのことを指します。
選別の方法はサービス、商品、会社の方針によって様々ですが、一般的には「スコアリング」という手法が用いられます。
スコアリングでは、まず自社のアプローチに対して、リードが起こしたアクションにスコアをつけます。例えば、以下のようなイメージです。
スコアづけの例
- メルマガ開封→3点
- メルマガ内のリンクをクリック→5点
- ホワイトペーパーのダウンロード→15点
- イベント参加→20点 など
一定期間のユーザー行動にスコアづけをした後、合計スコアが高いリードを見込みの高いリード(ホットリード)とみなし、より積極的な営業活動を実施していくという流れです。
STEP4.リードへのアプローチ
見込みの高いリードが選別できたら、そのリードへより積極的なアプローチを仕掛けます。
具体的にいえば、
- 商品を購入しませんか?
- サービスを利用しませんか?
といった、具体的な商談を持ちかけることです。
この際に注意したいポイントは、いつも同じようなアプローチ方法では、受注率が低下する可能性があることです。
商談を持ちかけるリードが生まれ育った過程を把握した上で、アプローチを実施しましょう。
例:イベント参加・メルマガ開封・セミナー参加があったリードの場合
イベント・メルマガ・セミナーの内容を確認し、リードが抱えている課題やニーズを想定する
→課題解決やニーズを満たす提案を盛り込みつつ、詳細な商談を持ちかける
STEP5.サービスや商品の継続利用促進
BtoBの商品やサービスは、一度だけでなく、継続した利用を想定したものも多いです。
具体的には、SaaSやサブスクリプションサービスなどが良い例でしょう。
そのため、商談成立後も継続して顧客と関わりを持つことが重要です。
実際に商品やサービスを利用するなかで顧客が抱いた不満や悩みと丁寧に向き合い、顧客満足度を向上していきましょう。
顧客満足度の向上を怠ると、解約率(チャーンレート)の低下につながってしまいます。
BtoBはBtoCと比較して、顧客となる対象が少ないため、よりひとりひとりの顧客を大切にする必要があります。
問い合わせなどの対応はもちろん、時には自主的にヒアリングを実施して、顧客の不満や要望を確認しましょう。顧客の声は、商品やサービスを改善するきっかけにもなります。
BtoBマーケティング戦略立案時のポイント
ここまでBtoBマーケティングの基本的な流れをお伝えしてきました。
しかし、具体的な戦略を考える際には、より踏み込んだ考えが必要になります。
そこで、「STP」という考え方を利用しましょう。STPとは、セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングの3つの頭文字をとった言葉です。
商品やサービスを生み出す際に重要な、「誰に何を売るか」の見極めに役立ちます。それぞれの単語の意味は、以下のとおりです。
STPとは?
Segmentation(セグメンテーション):市場の細分化
Targeting(ターゲティング):狙う市場の決定
Positioning(ポジショニング):自社の立ち位置の明確化
マーケティング戦略を立案する上で、STPが決まらないままでは、何をやってもぼやけてしまいます。
また、同業他社と差別化を図ることも難しくなってしまうため、選ばれにくくなる可能性が高まります。
- 市場を細分化して自社がビジネスを実施できる市場を把握する
- 把握した市場のなかで狙う市場を決定する
- 狙う市場のなかで自社の立ち位置を明確にする(差別化を図る)
STPを押さえ、上記の作業をおこなっておくことで、より効果的なマーケティングが可能になります。
何をすれば良いのか迷った場合は、ぜひ「STP分析」からはじめてみてください。
課題解決のためのBtoBマーケティング手法&施策12選
ここからは、具体的なBtoBマーケティング手法&施策を紹介します。
どのようなシーンに向いているかもまとめたので、ぜひ抱えている課題に合わせて参照してください。
手法・施策 | 概要 | 向いているシーン |
---|---|---|
リスティング広告 |
|
|
ディスプレイ広告 | 広告枠を設置しているWebサイトやアプリに動画・静止画の広告を配信する方法 |
|
SNS広告 | Facebook、TwitterなどのSNSに広告を配信する方法 |
|
SEO | 自社WebサイトやWebメディアの品質を高めることで検索順位を上げ、アクセス数を増やす方法 |
|
SNS | 自社やサービスの公式SNSアカウントを作成し、認知度を高める方法 |
|
メールマガジン | メールで自社のサービスに関する情報や、業界に関する情報を配信する方法 |
|
ホワイトペーパー | 自社の持つビジネスノウハウや、サービスの具体的な紹介などをまとめたファイルを配布する方法 |
|
マス広告 | テレビ・新聞・ラジオ・雑誌に広告を掲載する方法 |
|
交通広告 | 電車や地下鉄、バス、タクシーなどの交通機関に広告を掲載する方法 |
|
テレアポ | 電話で商品やサービスの営業をおこなう方法 |
|
セミナー・イベント・展示会 | オフラインでイベントを開催(イベントに参加)する方法 |
|
ウェビナー | Web上でセミナーを開催する方法 |
|
施策1.リスティング広告
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果に表示されるWeb広告です。
検索に使用されたキーワードに合わせて配信できることが特徴で、即効性があり、低予算から取り組めます。
リスティング広告については、以下の記事で詳しく解説しています。
リスティング広告を使用するメリット・デメリットや、運用に関するポイントもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
施策2.ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、広告枠を設置しているWebサイトやアプリに配信される、動画または静止画のWeb広告です。
文字だけでの掲載も可能ですが、画像や動画を使用することでユーザーの目を引き、強い訴求力でアピールできます。
近年では、さまざまな広告枠に最適な形で表示される「レスポンシブ形式」の広告が特に増えています。
以下の記事では、Googleのレスポンシブディスプレイ広告について詳しく解説しています。
表示例なども確認できるので、ディスプレイ広告の配信を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
施策3.SNS広告
SNS広告は、その名のとおりFacebook、TwitterなどのSNSに配信できる広告のことを指します。
SNSを利用しているのは個人(=Customer)という印象が強いため、BtoC向けのイメージがあるかもしれません。
しかし、BtoBも最終的に購入を決定するのは1個人です。全体的な認知度を上げるという意味では、最適な広告だといえます。
施策4.SEO
SEOとは、「Search Engine Optimization:検索エンジン最適化」の略称です。
自社WebサイトやWebメディアの品質を高めることで検索順位を上げ、アクセス数を増やす施策のことを指します。
例えばオンラインセキュリティサービスを提供している企業であれば、「不正アクセス 防止」などのキーワードで検索した際に、上位表示されるようにページを制作・改修するイメージです。
BtoBサイトのSEO対策に関しては、以下のページで詳しく解説しています。
実施すべき3ステップをわかりやすくまとめているので、ぜひ参考にしてください。
施策5.SNS
各SNSに自社のアカウントを作成・運用する方法も、ひとつのマーケティング手法です。
SNSアカウントを運用している企業は、今や多数存在します。業種・業態を問わず、さまざまな企業がSNSを利用して認知度アップを図っているのです。
SNSアカウントは、自社サービスなどの情報を発信するだけでなく、ユーザーとのコミュニケーションにも利用できます。
「Twitter企業アカウント利用に関する意識調査」によれば、企業公式アカウントのフォロー後、大多数の人が、その企業やサービスに好印象を持っています。
上記のアンケート結果からもわかるように、SNSにて発信や交流を継続すれば、企業全体のイメージアップも期待できるでしょう。
施策6.メールマガジン
メールマガジンという形式を利用して、メールで自社のサービスに関する情報や、業界に関する情報を配信する方法です。
当たり前ですが、リードのメールアドレスを知らなければ配信することはできません。
そのため、リードナーチャリング以降のステップに有効な手法です。
施策7.ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、自社の持つビジネスノウハウや、サービスの具体的な紹介などをまとめた資料です。
複数の導入事例をまとめた「導入事例集」や、アンケート調査結果をまとめた資料をホワイトペーパーと呼ぶこともあります。
ホワイトペーパーを配布すると、自社のサービスに興味がある人や、業界関係者の情報を手に入れられます。
具体的な手法としては、「ホワイトペーパーをメールでお送りします」という形にして、メールアドレスや氏名の入力を求めるケースが多いです。
施策8.マス広告
マス広告とは、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌の広告を指します。
これらのメディアに広告を掲載することで、認知度の向上を目指す手法です。
施策9.交通広告
交通広告は、電車や地下鉄、バス、タクシーなどの交通機関に掲載する広告です。
ポスターやステッカーのほか、近年ではデジタルサイネージなどのモニターを利用した動画広告も見られます。
施策10.テレアポ
テレアポ・テレマーケティング(電話営業)は、電話で商品やサービスの営業をおこなう方法です。
営業先(電話番号リスト)の用意が必要ですが、担当者と直接話せる可能性もあるため、スキル次第では高い効果が期待できます。
施策11.セミナー・イベント・展示会
セミナー・イベント・展示会などを開催(または参加)すると、自社のサービスや商品に興味を持つ企業の参加者に出会える可能性が高いです。
参加者はわざわざ会場まで足を運ぶことになるため、より検討確度の高い見込み顧客の来場が期待できるでしょう。
施策12.ウェビナー
ウェビナーは、「Web+セミナー」の造語です。Web上でセミナーを開催する方法のことを指します。
オンラインでの開催となるため、会場の用意などが不要であり、オフラインイベントよりも気軽に開催できる点がメリットです。
また、開催案内などを送付するため、メールアドレスなどの顧客情報の取得も可能です。
BtoBマーケティングの戦略実行時に押さえておきたい2つのポイント
最後に、BtoBマーケティングの戦略を実際におこなうときに押さえておきたい2つのポイントを解説します。
- 顧客のニーズを常に把握する
- ツールの導入や施策の外注を検討する
それぞれ確認していきましょう。
ポイント1.顧客のニーズを常に把握する
まず、自社の商品やサービスを利用する顧客がどのようなニーズを持っているのか、常に把握しておきましょう。
もし一度把握・設定したきりの場合は、すぐに最新のユーザー像を把握しなおすべきです。
その理由は、マーケティングを実施していくなかで、顧客のニーズは変化する可能性があるためです。
アンケート調査やヒアリングなどにより、一定期間ごとに確認作業をおこないましょう。
同時に、自社商品やサービスが置かれている業界の、トレンド変化の把握もおすすめです。
ポイント2.ツールの導入や施策の外注を検討する
ツールの導入や、施策の外注もポイントのひとつです。現代はツールの導入により、効率的かつ効果的な顧客管理やマーケティング活動が可能となっています。
MAツール(マーケティングオートメーションツール)やCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)を活用していない場合は、ぜひ導入を検討してみてください。
ちなみにMAツールとCRMとは、以下のようなツールのことです。
- MAツール:マーケティング活動を効率化・自動化するための機能が搭載されているツール。
- CRM:「CRM=顧客関係管理」という意味。顧客と自社の関係管理により、満足度向上や売上増加を目指す。ここでは、CRMが効率的に実施できるツールを指す。
MAツールは工数削減や精度の高い分析に役立ち、CRMは業務効率化や顧客管理の一元化に役立ちます。
ただしツールの導入は便利な反面、自社に合わなかったり、うまく活用できなかったりすることもあります。
そのため導入を検討する際は、
- なぜ導入するのか?
- 導入したらどう活用するのか?
という目的やビジョンを明確にしておくことが大切です。
これらを明確にしておくことで、自社に合うツールの絞り込みや、実際に使ってみた後に自社に合っているのかの確認が容易になります。
また、MAツール・CRMを導入したとしても、施策によっては効果が出るまでに時間がかかるものもあります。
「なかなか効果が出ない」「自社ではリソースが足りない」と感じたときは、専門知識・ノウハウを持つ外注を検討することもおすすめです。
まとめ:ポイントを押さえてBtoBマーケティングを成功させよう
本記事のまとめ
- BtoBマーケティングでは、リードの創出・育成・選別を踏まえたアプローチを実施する
- STP分析をおこなった上でマーケティングを実施する
- 顧客のニーズを把握し、シーンに合った手法・施策を実施する
本記事で解説したとおり、BtoBマーケティングは、意識すべきポイントが多いです。
そのため、記事で紹介したSTEP1~5のすべてを内製するのは難しいと感じるかもしれません。
その場合は、先述したとおり便利なツールの導入や、外注を検討することもひとつの方法です。
Web広告の運用やSEO対策だけでも外部委託することで、顧客対応やその他営業活動の品質を落とすことなく利益を上げられるでしょう。
なお弊社では、BtoBマーケティングにも活用できる、Web広告の王道パターンや詳しい成功事例をまとめた資料をプレゼントしています。
Web広告を活用したマーケティング活動を成功に近づけるためにも、以下よりぜひお気軽にダウンロードしてみてください。
投稿者
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「志を支援する」パーパスの元、デジタルマーケティング支援会社を経営。(2024年6期目/メンバー数約15名/最高年商2億)パーパスに共感したクライアントの成果創出を「誠実なエース人材のみ」でチームを構成し、エンドユーザー目線を徹底する方針で支援してます。
経歴:オプトで運用型広告コンサルタント→サイバーエージェントグループのウエディングパークにて、運用型広告の営業→WALTEXを創業。Speee様、KUMON様、DIGITALIO様など、大手から中小企業(ベンチャー/スタートアップ)まで支援実績インタビューをHPで公開中。