アトリビューション分析とは?6つの代表的なモデルと実践的な使い方を紹介
最終更新日:2023年2月3日 | 投稿日:2023年1月26日
分析方法の一種であるアトリビューション分析。
「名前は聞いたことあるけれど、意味がよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、アトリビューション分析について知りたい人に向けて以下のような内容をまとめました。
- アトリビューションの意味
- 代表的なアトリビューションモデル6つ
- アトリビューション分析を行うメリット
- アトリビューション分析の方法
5分程度でアトリビューション分析の全体像が理解できるはずですので、ぜひ参考にしてください。
目次
アトリビューションとはコンバージョン経路ごとの貢献度を確認すること
アトリビューションの意味を一言で表すと、「コンバージョン経路ごとの貢献度を確認すること」です。
attribution(アトリビューション)は本来、「帰属・属性・帰因」といった意味を持ちます。
「アトリビューション分析」は、「どの経路がどの程度コンバージョンに帰因しているのかを分析する方法」とも言い換えることができます。
以下から具体例を交えて解説していきましょう。
ユーザーはコンバージョンまでに複数の経路を通っている
ユーザーが1CV(コンバージョン)するまでに、さまざまな経路を通っている場合があります。
例として、コンバージョンポイントが「商品Aの購入」という場合において、以下から説明します。
例1)1CVまでに1つの経路のみ通っている場合
商品Aのリスティング広告が表示される
↓
クリックする
↓
購入=1CV
例2)1CVまでに3つの経路を通っている場合
商品Aのリスティング広告が表示される
↓
クリックするが購入せず、数日後に別のHPを開く
↓
商品Aのディスプレイ広告が表示される
↓
クリックするが購入せずに、Facebookを開く
↓
商品AのFacebook広告が表示される
↓
クリックする
↓
購入=1CV
例2ではユーザーは「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「Facebook広告」と3つの広告を経由した上で商品の購入(CV)を行っています。
例2の場合、購入につながった広告はFacebook広告ということになり、リスティング広告・ディスプレイ広告の配信結果で「CV数:1」という数字は確認できません。
Facebook広告でコンバージョンするきっかけになったと考られます。
「リスティング広告・ディスプレイ広告もコンバージョンに貢献している」と評価して貢献度を割り振り、貢献度ごとに適切な広告費を投下することは、効果的な広告運用につながるでしょう。
そのための分析方法が、「アトリビューション分析」というわけです。
代表的なアトリビューションモデル6つ
代表的なアトリビューションモデル6つ
- ラストクリック
- ファーストクリック
- 線形
- 減衰
- 接点ベース
- データドリブン
ここからは、最も利用されている検索エンジン、Googleの広告で利用できるアトリビューションモデル6つを例に挙げて紹介します。
1.ラストクリック
コンバージョン経路で最後にクリックされた広告にのみ100%の貢献度を割り当てます。
例2で言うと「Facebook広告」にのみ貢献度が割り当てられるモデルです。
利用に適したシーンは以下のとおりです。
- コンバージョンする広告が1箇所のみの時
- 期間が限定されている商品を販売する時
2.ファーストクリック
コンバージョン経路で最初にクリックされた広告にのみ100%の貢献度を割り当てます。
例2で言うと「リスティング広告」にのみ貢献度が割り当てられるモデルです。
以下のようなシーンに適しています。
- 顧客が最初に触れる広告を知りたい時
- 認知度を高めることが目的の時
3.線形
コンバージョン経路にあるすべての広告に同一の貢献度を割り振るモデルです。
例2で言うと「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「Facebook広告」すべてに同じ33%の貢献度が割り当てられます。
すべてのシーンにおいて利用できますが、どの接点が最も貢献度が高いのか判断が難しいというデメリットもあります。
4.減衰
コンバージョンに近い広告から順に貢献度が割り振られます。
例2の場合は「Facebook広告」「ディスプレイ広告」「リスティング広告」の順に、60%、30%、10%などのように貢献度が割り当てられる仕組みです。
以下のようなシーンに適しています。
- コンバージョンに最も近い広告を知りたい時
- 期間が限定されている商品を販売する時
5.接点ベース
コンバージョン経路の最初と最後の広告にそれぞれ40%の貢献度を割り当て、それ以外の広告には残りの 20%を均等に割り当てるモデルです。
例2の場合は「リスティング広告」「Facebook広告」に40%、「ディスプレイ広告」に20%の貢献度が割り当てられます。
利用に適したシーンは以下のとおりです。
- 認知とCVどちらも重視したい時
- CV経路をよりバランスよく評価したい時
6.データドリブン
過去のコンバージョンデータに基づいてGoogle広告が貢献度を割り当てます。
多くの場合、十分な広告配信データが蓄積されているアカウントのみ利用が可能です。
より自社商材に適した形でのアトリビューション分析が可能になります。
アトリビューション分析を行うメリット
モデルも複数あり、少々複雑なアトリビューション分析。実施するメリットを紹介します。
重視すべきメディア・施策が分かる
アトリビューション分析を行うことで、以下のようなことがわかります。
- CVに誘導する力が最も強い広告
- 商材に触れるきっかけを作っている広告
上記のような分析結果を参考にすることで、自社の目的に合わせた適切な広告運用を行うことができるでしょう。
複数の広告を長期間配信・運用していく中では、以下のような課題が発生することでしょう。
- 広告費の分配
- 注力するべき広告の選別
このような課題を解決するために役立つのが、アトリビューション分析というわけです。
ビジネスの目的や成長度合いに合わせた戦略を取れる
アトリビューション分析を行っていく中で、複数の広告を展開している場合、それぞれ担う役割が異なるということがわかってきます。
それぞれの広告の役割を理解することで、より適切な広告戦略を取ることができるでしょう。
例)商材の認知度アップが目的の場合
- 「ファーストクリック」でユーザーが最初に触れる広告を知り、予算を投下する
- 「接点ベース」でユーザーが最初に触れる広告を知り予算を投下しつつ、CVに近い広告にも注力する
アトリビューション分析の方法
ここからは、アトリビューション分析の方法を解説します。
アトリビューション分析は、以下の流れで行います。
- アトリビューションモデルを決める
- ユーザーがコンバージョンまでに通る経路を予測する
- 経路ごとのコンバージョンを計測し、予測と実績を比較する
- 実績を考慮して改善を図る
- 2~4を繰り返す
ひとつずつ解説していきましょう。
1.アトリビューションモデルを決める
まずはアトリビューションモデルを決定します。
先ほどお伝えしたように、アトリビューションモデルにはそれぞれ特徴や向いている利用シーンがあります。
目的に合わせてアトリビューションモデルを選びましょう。
2.ユーザーがコンバージョンまでに通る経路を予測する
実際にユーザーがコンバージョンするまでに通る経路を予測しておきます。
アトリビューション分析を行う前に広告配信を行っていた場合、その結果から予測することもおすすめです。
予測例として、上記「例2」を改めて記載します。
商品Aのリスティング広告が表示される
↓
クリックするが購入せず、数日後に別のHPを開く
↓
商品Aのディスプレイ広告が表示される
↓
クリックするが購入せずに、Facebookを開く
↓
商品AのFacebook広告が表示される
↓
クリックする
↓
購入=1CV
3.経路ごとのコンバージョンを計測し、予測と実績を比較する
実際に広告を運用した結果を計測します。
そして、予測した経路と実績の違いを比較しましょう。
具体的には、以下のような数値の変化を確認します。
- CVR(コンバージョン率)
- CTR(クリック率)
4.実績を考慮して改善を図る
実際の数値変化を確認し、改善を行います。
改善例
例2においてCVRが「リスティング広告>Facebook広告」だった場合、経路の予測が間違っていると考えられる。
→リスティング広告の予算を増加する(CV数の向上が予測できる)
5.2~4を繰り返す
予測・分析・比較・改善のサイクルを回していきます。
改善例
リスティング広告の予算を増加した後、それぞれのメディアにおいてCVR・インプレッション数・CTRなどがどのように変化したかを確認する
→数値の変化に合わせた改善を行う
Googleアナリティクスでアトリビューション分析が実施できる
Googleが無料で提供しているツール「Googleアナリティクス」を利用することで、より正確なアトリビューション分析を行うことができます。
方法は以下の通りです。
- 左メニュー「レポート」からマルチチャネル→モデル比較ツールをクリック
- 条件を設定する
- アトリビューションモデルを選択する
- 分析結果を確認する
Googleアナリティクスは、アトリビューション分析を行う以外にもWebマーケティングに役立つさまざまな数値を確認することができます。
利用は無料のため、進んで活用していきましょう。
まとめ:アトリビューション分析を理解してビジネスの成長に役立てよう
本記事のまとめ
- アトリビューションとはコンバージョン経路ごとの貢献度を確認すること
- ユーザーは複数の経路を通過した上でコンバージョンしていることが多い
- 広告の目的に合わせてアトリビューション分析を行うことで、より効果的な広告運用が可能になる
アトリビューション分析を用いることで、どのメディア・施策がどの程度コンバージョンに貢献しているのかを知ることができます。
ツールを利用した詳細なアトリビューション分析は、より効果的な広告運用を可能にしますが、同時にある程度専門的な知識が必要です。
「アトリビューション分析を活用したいけれど方法がわからない」「もっと効果的なWebマーケティングを実現したい」という方は、広告代理店への依頼を検討してみてはいかがでしょうか。
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投稿者
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「志を支援する」パーパスの元、デジタルマーケティング支援会社を経営。(2024年6期目/メンバー数約15名/最高年商2億)パーパスに共感したクライアントの成果創出を「誠実なエース人材のみ」でチームを構成し、エンドユーザー目線を徹底する方針で支援してます。
経歴:オプトで運用型広告コンサルタント→サイバーエージェントグループのウエディングパークにて、運用型広告の営業→WALTEXを創業。Speee様、KUMON様、DIGITALIO様など、大手から中小企業(ベンチャー/スタートアップ)まで支援実績インタビューをHPで公開中。