指名検索広告クリックで営業問い合わせ(売り込み)が来る時の対処法
指名検索広告に付きものの営業担当者のクリックや CV(営業担当者による不本意なクリック)は、コンバージョン(CV)データにネガティブな影響を与え、自動入札ロジックを狂わせるリスクがあります。とはいえ完全排除は不可能です。
本記事では「許容ラインの見極め → 必要最小限の対処 → 学習データ確保」という流れで、営業クリック問題を最小コストで抑え込む手順を紹介します。
目次
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指名検索広告に潜む“営業クリック”問題
自社名やサービス名で検索したユーザーを高 CTR+低 CPC でサイト誘導できる指名検索広告。しかし「営業マンがクリックし、問い合わせ(CV)を発生させる」ケースはどのアカウントでも避けられません。
ここで押さえておきたいのは、営業クリックは“ノイズ”である一方、ブランド防衛という指名検索の主目的を脅かすほどの致命傷にはなりにくい点です。問題は“量”と“影響度”を定量把握できていないこと。以下のフローで可視化・対処していきましょう。
よくある相談 ― 機械学習への悪影響は?
「指名検索広告に営業ばかり流入し、CPA が悪化しそう。機械学習にも影響しますか?」
という質問をよくいただきます。
結論から言えば、許容できる割合かどうかを見極めるのが先決です。営業流入をゼロにするのは現実的に不可能だからです。
さらに Google 広告の自動入札は一定のノイズ耐性を持つため、統計的に十分な量のユーザー行動データが残っていればモデル精度は大きくブレません。まずは数字で状況を把握し、誤学習を招くレベルなのか判断しましょう。
【3ステップ】営業流入の割合を測り、対処ラインを決める
3 つのステップは「測る → 判定 → 対処」のシンプル構成です。いきなり除外設定を行わず、数値基準を持つことがポイントです。
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ステップ1|まずは割合を確認
- 月間 CV が 100 件なら、営業 CV が 5〜10 件(≒5〜10%)であれば許容範囲。
- 営業流入を推定するには、フォーム入力の社名・役職や電話番号帯、リファラー情報などを突合。
- 定期レポートで「営業 CV 率」を把握し、異常値を早期に検知できる体制を作りましょう。
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ステップ2|割合が高すぎる場合の判断
- 営業 CV が50%超に達するようなら本格対処を検討。
- 直近 3 か月平均で確認し、一時的なキャンペーン要因(セール告知など)を除外。
- 商談フェーズを追えている CRM があれば、営業由来 CV をラベル付けして精度を高めます。
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ステップ3|実際の対処
- どの CV ポイントに営業が集中しているか特定
例:電話タップの大半が営業電話。 - 問題の CV ポイントを除外する。
・電話タップを CV 計測から外し、フォーム送信など他ポイントに最適化を集中。
・ただし月間 CV がキャンペーン単位で 40 件未満になると学習が鈍化するため要注意。 - 除外前に「除外すると何件減るか」シミュレーションを実施。
- 代替の CV ポイント(資料 DL・無料トライアルなど)を設計し、学習用データ量を補完します。
- どの CV ポイントに営業が集中しているか特定
ステップ別チェックポイント
チェック項目 | YESなら | NOなら |
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営業 CV が 10% 以内か | 許容して運用継続 | ステップ2へ |
営業 CV が 50%以上か | ステップ3で対処 | 一旦様子見 |
対処後も月 40 件以上の CV を維持できるか | 学習継続 | 別対策を検討 |
上表を“ウィークリーレビューシート”に組み込み、判断をルール化するとブレない運用ができます。
対処時の注意 ― “1キャンペーン内で過去30日以内の CV 数が月 40 件”を割ると最適化が鈍る
電話タップなどを除外して CV 件数が激減すると、自動入札の学習データが不足し、CPA が跳ね上がる恐れがあります。除外前後で件数シミュレーションを行い、“40 件ライン”を死守しましょう。
可能であれば、一次 CV(資料 DL)と二次 CV(問い合わせ)を併用し、上位ファネルのデータで学習をキープする方法も有効です。
まとめ & 次のアクション
- 営業クリックは完全排除できない。まずは割合を測定し、許容範囲か判断。
- 過半数を超える場合はCV ポイントを絞る/除外で質を改善。
- ただし 1 キャンペーン当たり過去 30 日以内の CV 数が月 40 件未満に落ちると機械学習が働かなくなるため、件数確保とのバランスが重要。
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